第16話 「マックウィーク(マック漬けの生活)」編
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こんにちは,石田です。Macintosh版ソフトの開発が佳境に入り,”マックづけ”の日々を過ごしています。
「マックウイーク(マック漬けの生活)」編
製品ラインが一新されて注目が集まっているマッキントッシュの世界だが,僕も時を同じくして「マック漬けの生活(マックウィーク)」を送っている。FreeBit.Comの「ソフトウエア・ブロック」の主要プロダクトである「BitBasket for Mac」の開発が佳境に入っており,プロダクト責任者としては,このソフトと「寝食をともにする」覚悟で全環境をマックに移行し,開発の最後の詰めの作業に入っている。
僕自身,マックとの付き合いはそれなりにある。学生時代にASL(Apple Student Lab)にて8100とPowerBook230cを貸与され,BBSソフトである「First Class」を利用したネットワークを運用していた。その後Coplandの登場を待ちきれずに,PCに「NeXTSTEP」(注1)をインストールしてメインの環境として利用していた。ちょうどDTIの立ち上げ当初はこの環境を利用していた。その後,Windows95の登場とともに徐々にWindowにシフトしていき現在に至る。
久しぶりに,じっくりとマックを使ってみたが,最初多少違和感を覚えたものの,やはりマックの利点も多くいろいろと勉強になった。Windowsが「実用的」だとすると,マックは「楽しさ」が感じられる。使っていて細かいところまで楽しくてたまらないのだ。直感的でリッチなGUIや操作感覚。熱狂的なファンが多いのもうなづける。
当初BitBasketは,Windows版をそのまま「移植」しようと考えていたが,マックと深く付き合っていくにしたがい,やはりマックの世界観を最大限に生かしたまったく別のソフトウェアとして開発する以外に「本当にマックで使われるソフト」になる道はないと判断した。マイクロソフトがまったく違うオリジナルバージョンとして,Mac版のInternet ExplorerやOutlook Expressを開発したことも大きくうなづけた。
BitBasket for Macの開発は非常に順調に進んでいる。技術的にもいろいろとチャレンジし,一部でMozillaのgeckoエンジンを組み込み,100%思い通りにコントロールできるブラウザーエンジンを内蔵している。ここまで本格的にMozillaを組み込んだMac用のソフトは世界でもまだ出ていないハズだ。
BitBasketは,FreeBit.Comがサービスを提供する様々な「FreeISPブランド」にカスタマイズされて登場する。証券会社仕様や,ポータルサイト仕様,銀行仕様….. Windows版とともに,「マックネイティブ」のBitBasketが登場する日は近い。
注1) アップルをやめた Steve Jobs氏が設立した会社。当初画期的なワークステーションメーカーであったが,後にOS部門に特化。画期的なNeXTSTEP OSをIntel PCやSparcにも移植。NeXTSTEPは現在MacOS Xへと進化している。
7月19日(水)
渋谷のNHK放送センターにて,地上波デジタルテレビの試験放送を見に行く。いろいろと情報を吸収。将来,テレビとPCの融合が起こる場合のひな型。
夜神田にて,某社のS氏とのお食事会。魚三昧で大満足。仕事抜きで楽しい会であった。いろいろと技術的な話が聞けたのも楽しかった。
7月20日(木)
今日は休み。出社しようと思ったが,家でのんびり過ごす。オラクル佐野社長の本を読む。タイトルがすごい(「辞めた 起した 成功した!そしてロマン」)。
昨日行われた,Macworld NYでのSteve Jobs氏の基調講演をQuicktimeで見る。いつもよりも早口で始まったと思ったら,発表内容が盛りだくさんだった。新しいカテゴリができたね。ポータブルにも注目。昨年は現地で見たが,今年は時間がなくて行けなかった。
7月21日(金)
朝一番でアクションアイテムのまとめ。現在のFreeBit.Comの位置を相対化して捉えてみる。ふむふむ。
昼から,某新聞社の取材。その後ひたすら「BitBasket for Mac」の検証。夕方,アクションアイテムのまとめ。夕食はPotPotでカレーを食べて,藤沢宅へ戻る。戦略をまとめる一人合宿。火曜日まで藤沢に残って戦略立案。