第49話 “成長フェーズへ突入”

第49話 “成長フェーズへ突入”

石田宏樹写真ReSET.JPの記者発表会で
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21世紀生まれのプロバイダ「ReSET.JP」サービス発表

先週4月10日にFreeBit.Comは,独自ブランドの有料プロバイダサービス 「ReSET.JP」(リセット・ジェーピー)の発表を行った。

実は今回の記者発表会がFreeBit.Com設立以来初めての「記者発表会」であった。 コンセプトとして,余り派手な発表は行わないようにしていたために,設立時もサービス開始時もプレスリリースにとどめていたが,今回はサービスの意図や内容 をきっちりと説明したかった為に,記者発表会を行うことにした。当然全て「手作り」の記者発表会となった。

ここでは「ReSET.JP」の特徴をかいつまんでご説明したい。

[ReSET.JPについて]

まず,ReSET.JPは,既存のダイヤルアップサービスの延長線上のサービスではなく,21世紀のニーズ(常時接続,ブロードバンド等)を元に「21世紀のプロバイダの役割」を見つめ,一から組み上げたげたサービスになっている。

ReSET.JPのサービス内容は,サイトを見ていただくとして,開発にあたっては,以下のポイントを念頭においた。

1.常時接続,ブロードバンドに対応したユーザー環境の実現

2.電話料金+インターネット料金で月$35の実現

3.”本当にいいプロバイダ”の追求

1.については「ただつなぐだけでないプロバイダの役割」を追求して,いかにユーザー基本環境(サーバ環境)を充実させるかを念頭においた。そこでの回答が以下である

○1GBのユーザーディスクスペース(標準)

○IMAP4プロトコルのサポート(オプション:POP3・IMAP4の自由な切り替え)

○全ての携帯電話(i-Mode,J-Phone,Ez-Web,H”)からのメール送受信のサポート

ユーザーディスクスペースは,単なるホームページエリアとしてではなく,ユビキタス性や保守性を考えるとこれから重要な「常時接続・ブロードバンドアプリケーション」となっていくと思われる。IMAP4のサポートは,単なるPCユーザーの利便性向上だけでなく,ディスクレス端末(ゲーム機やIA,ハンドデバイス)等に充実したメール環境を提供することを意図している。

2.に関しては,ADSLの帯域を独自技術で256Kbpsに絞ることにより,ADSL費用と,インターネット費用含めて3,950円を実現した。ADSLの「常時接続」としての側面を強調したサービスとなっている。(R-Switchという速度切り替えシステムを利用して帯域が必要なときは,1.5Mbpsに切り替えることができるようになっている)

ReSET.JPは,いつでもどこでも自分の「基本環境」にアクセスできる「ユビキタス・インターフェース」と強力なネットワーク環境(ADSL,Flet’s
ISDN,こみこみAP),そして徹底したサポート体制の3レイヤ構造となっている。FreeBit.Comが「FreeISP’sISP」として1年間準備してきた,ネットワークやサーバ,データセンタ,ソフトウエア等全てのノウハウを「ReSET.JP」に結集している。

[ReSET.JP開始の側面]

今まで「FreeISP’s ISP」として黒子に徹してきたFreeBit.Comが,この時点で「独自ブランド有料ISP」に参入したのは,「事業拡大」を目的としたのではなく,大きく分けて3つの理由がある。

1.常時接続・ブロードバンド時代の「満足度」のアンテナとして

2.FreeBit.Comの10のビルディンブロック組み合わせのレファレンス(代表例)として

3.常時接続・ブロードバンド時代のプロバイダの「雛型」として

自身のブランドのサービスで,直接お客様と対話することによって「常時接続・ブロードバンド時代」のユーザー満足度がどこに存在するのかを明確に把握し,様々な新しいサービスを模索し,そこで結果が出たものをFreeBit.Comのビルディングブロックに組み込んで,ISPやOpenBit.Netのパートナー企業に対してどんどん提供していきたいと考えている。

ReSET.JPは,21世紀のプロバイダのカタチを模索する先進的な環境にしていきたい。

4月1日(日)
今日は藤沢宅にて戦略を練る。昼からは,のんびりと散歩をして日大藤沢の桜を堪能。今年は工事中で余り見れずに残念。夕方から,ReSET.JPの広告のプランを練る。夜は,出前で済ます。今日からいよいよFreeBit.Comは,「成長フェーズ」へ。

4月2日(月)
朝,散髪を済ませて出社。社内では社内管理体制についてのメモを作成する。急成長と社内体制の整備の両立はベンチャー企業の大きな課題となる。しっかりと体制を作っていく。今日から新入社員の永井さんが出社。新しいスタッフが増えるのは嬉しいことだ。その後,商標などに関するミーティング数本。

4月3日(火)
朝は管理体制に関しての提案書をまとめる。社内での情報の流れについてが重点。出社後,MacOS Xのアップデーターのデベロッパーリリースを試してみる。一寸スピードが上がったような気がする。夕方から,ReSET.JPについてのフォローアップミーティング。各部署と最終の仕様をつめる。プレス発表を10日に行うことに決定。夜,netBRAINの桜井編集長,小林さんとお食事。「ベンチャー立ち上げ日記」の今後について。netBRAINは好きな雑誌だった為に休刊は残念。

4月4日(水)
朝,netBRAINの日記最終回を執筆。1年の総括にする。昼,某証券会社来社。とてもFreeBit.Comの事業内容に関して興味を抱いていた。某社との比較も聞かせていただいた。うーん。夕方,GMO熊谷社長を新オフィスに訪問。初対面。インターネット業界に関して熱く語る。戻ってきて,ReSET.JPの調整。

4月5日(木)
昼一番で某新聞の取材。その後,某証券会社のアナリストさんが来社。こちらもとても興味を持っていただいていた。がんばるぞ! 夜,ReSET.JPの広告内容に関してのミーティング。とてもいいデザインになる。その後は,OpenBit.Netの新サービスについての調整と,ReSET.JPの準備。気がづいたら午前0時を過ぎていた。スタッフの大半は残っている。不夜城状態だ。

4月6日(金)
昼一番で,広告用の写真の撮影。某社向けのビデオレターもスタジオで撮影。夕方までかかりかなり疲れて帰社。今日はスタッフ向けの事業説明会なので,そのプレゼン内容を作る。18時よりフォローアップミート。各プロジェクトの新着状況の把握。20時より新事業説明会。戦略などをしっかりと共有する。その後みんなでお食事。

4月7日(土)
休日ながら取締役で集まり長いタームでの戦略を検討する。

4月9日(月)
朝は,明日の記者発表会のプレゼンテーション内容の詰めを行う。14時から会場の下見。PAの調子などを見る。非常に良好で安心。そのまま,Ntt.Comの本社にて,某案件のプレゼンテーションを行う。反応は上々。戻ってきて,記者発表会の最終打ち合わせを行う。

4月10日(火)
11時よりエクセル東急ホテルで記者発表会のリハーサル。手順だけを確認する。その後,ホテルのラウンジで昼食を取って控え室でのんびり過ごす。13時より記者発表会。満員御礼。プレゼンテーションもつづがなく終わる。記者さんからもとてもいい反応をいただく。とても満足。発表後,別室にて1時間。3本の連続取材を受けてへとへと。疲れすぎて夜熱が出る。