第143話 クオリア
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僕が最初に「クオリア」の概念に触れたのは約1年くらい前であったと思う。何かの記事で,茂木健一郎氏の事を知り「脳とクオリア」という本を読み,今までの「質感」に関する概念が一変したことを記憶している。いつか日記で書いてみたいと思い続けてきた内容であった。
「クオリア」とは最新の脳科学用語で茂木氏は
「感覚を構成する[質感]のこと」
と説明されている。
・人はなぜ夕陽を見て感動するのか ・人はなぜ音楽を聴いて涙を流すのか
・人はなぜ冷たく白いものにさわってそれが雪だと感じるのか
・人はなぜ夕立を想像するだけでアスファルトの焼けたにおいを思い出すのか
[ソニー株式会社 QUALIA 000 より]
物理的には,単なる原子の移動で説明できる事柄なのに人はそれぞれ違った感覚を持つのか。それは,”知覚”とは外的ではなく内的なものである証拠であるという考え方である。
クオリアとは僕にとって「気づき」であり,この世の中にあふれる「質感」に敏感になることで,世界が本当にヴィヴィッドでワクワクする空間に感じられるようになった。また,逆にこの概念の説明の難しさも感じていた。
# 最近は私的な「クオリアの会」を開いて,仲間とクオリア談義に花を咲かせて
# いるくらいであった
その為,この「クオリア」の概念をSONYが採用し,「QUALIA」プロダクト群として構想を進めているという話を出井会長から伺ったときは本当に驚いたとともに「わが意を得た」という感想を持った。
その「QUALIA」プロダクト群が,昨日ついにベールを脱いだ。(※1)
以前より出井会長とは「QUALIA」に関しての話をさせていただいていた経緯もあり発表会にもご招待いただいた。
「経済軸」を追求する企業でありながら,非連続な成長を成し遂げるためにあえて「感動軸」を追求したこの製品群の執念には本当に日本のモノづくりの魂がこもっている気迫を感じた。
この「QUALIA」は,21世紀のMade in Japanの「麹」のひとつとなる可能性を秘めていると思う。
繰り返すがクオリアは「気づき」であり,この質感の存在に気づくことで,本当に世の中がとても美しくワクワクしたものと感じることが出来るようになる。一言で言うと,生活が本当に楽しくなるのである。
これらを,追求するプロダクト群。目が離せない。また,我々もこのクオリアを引き続き追求していきたいと思っている。
注)
本文中で「クオリア」は脳科学での一般名詞として,「QUALIA」はソニー株式会社のプロダクト群の商標として利用しています。
ダイアリー
5月23日(金)
午前中はメモのまとめ。午後,某銀行の方が来社。色々とお話を伺う。その後SONYとのミーティング数件。夕方,Feel6 FarmのMac対応に関しての確認ミーティング。その後,某案件のことで緊急ミーティング。何とか方向が見えた。でも,逗子には帰れず。。。
5月24日(土)
早めに起床。昨日購入していたPlay@TVをセットアップしてみる。パソコンのデータをテレビで見れるのは便利。このような行為を更にデザインしてみようと思う。14:00過ぎの湘南新宿ラインで逗子へ。その後はのんびりと過ごす。ガラコンサートには参加したかったな!
5月25日(日)
早めに起きる。窓を開けてすがすがしい気持ちの中読書。昼過ぎに,スタッフの伊藤君がやってくる。自転車で葉山マリーナに移動して,木村太郎さんと待ち合わせ。木村太郎さんに本格的なホームシアターショップの「カデンツァ」峰松さんを紹介していただく。ショールームのシステムに驚く。出井会長から依頼を受けている某プロジェクトについて打ち合わせ。15:00過ぎに家に帰り,その後は大家さんとウクレレの練習。夜も,スタッフともどもおいしい食事をいただく。感謝!
5月26日(月)
今日は企画立案の為に逗子に残って缶詰に。資料の熟読と昼からは企画作業に。いい空気の中では「Architect」としての頭が本当に働く。疲れた後は,大家さんの家に遊びに行って,甘いものをご馳走になって,それからウクレレ教室。やけに縦ノリになってきたなと思っていたら地震だった。。。東北のほうで震度6以上。大きな地震だ。NHKの速報体制に驚く。過去の経験から本当に学んでいると感心。見習おう。夜ご飯はすき焼き! 早めに部屋に戻って,じっくりと企画のまとめ。充実した一日だった。
5月27日(火)
午前中は,今週のアクションアイテムのまとめ。13:00過ぎの湘南新宿ラインで渋谷に向かう。オフィス到着後はいくつか細かいミーティング。夕方SONYにて打ち合わせ。オフィスに戻ってきて,社内の英語クラスについての打ち合わせ。FBでは自発的に,有志による簿記クラスや,英語クラスなどが始まっている。すばらしい動きだと思う。(FreeBeat.Comなる「音楽サークル」のような動きも。。。)その後,ブロードバンドのコスト構造に関しての打ち合わせ。FBの技術を使って収容力をどのようにあげるか。ワクワクする課題である。夜は,コンシューマーコミュニケーショングループの新マネージャーの木村君と食事。じっくりと話をする。
5月28日(水)
午後一番でSONY本社ビルにて某プロジェクトの打ち合わせ。がんばらないと。。。今回は半分はお勉強だね。オフィスに戻ってデスクワーク。一気に終わらせる。実はこう見えて,デスクワークは得意。その後SONYの戦略発表会をカンファレンスコールでじっくりと聞く。内容を理解。コンサルティングに活かす。早めに食事に行って,オフィスに戻り,Feel6 Farm Mac版対応の進捗を確認。
5月29日(木)
午前中は資料の整理。当然頭も整理。午後一番で,日経産業新聞の取材。IPv6について。最近IPv6関連の取材が多い。「期待」優先であったこの分野をしっかりと「着地」させたことに関する評価をいただいているようだ。リモートアクセスに感動していただく。その後,社内報に関しての打ち合わせ。夕方SONYにて打ち合わせ2件。オフィスに戻って,某新市場に関しての打ち合わせ。画期的な商品が作り出せそうだ。ワクワクしてくる。18:00からFeel6 Farmの新しい発表内容に関しての打ち合わせ。夜は,Alex君,伊藤君と「めるろーず」で食事。
5月30日(金)
午前中は,FBが技術開発している案件のリリースポイントに関して整理する。2年先まで大体プロットできた。逗子で「Architect」としての時間が取れる為に,先がクリアに見えている。ブレがない。13:00過ぎから企画営業グループ主管の新規プロダクトのミーティングに参加。いくつか調整を行う。ミーティングの為に15:00過ぎに渋谷を出て逗子へ。夕方,「カデンツァ」にて峰松さんと打ち合わせ。話が盛り上がり,なんとお食事までいただく。おいしいワインとすばらしいお話で久しぶりに飲みすぎてしまう。個人的にも本当にいい関係になることが出来て,本当にうれしい。Alex君は「カデンツァ」峰松さん宅に泊めていただく。。。