中国企業家「企業は人なり」

中国企業家「企業は人なり」

企業は人なり

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*一部日本語版に向けて修正/加筆

米国で発した金融恐慌の波は、比較的影響が少ないといわれていたにも関わらず日本を直撃し、
ついに人員削減にまで影響が及び始めている。

・自動車産業全体で約5万人の非正規雇用者の削減。
前年度2兆円を超える利益を計上したトヨタが赤字に転落。
ホンダもF1撤退。

・家電メーカーでは、ソニーは正社員を含む約16,000人の人員削減を発表。
その他メーカーも大幅下方修正。

・新卒市場では、多くの企業が四月入社組の「内定取り消し」を行う。

日本では、人材の流動化を実現するために15年ほど前に法改正が行われ、
正社員中心の雇用形態から、非正規雇用を含む柔軟な雇用形態へのシフトが
進んできていた。人材市場において、これだけ急速にシフトが進んだという
事実を見ると「労使ともに」メリットがあったことは確かだと思われる。

一方、「企業は人なり」という言葉がある。

松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)創業者の松下幸之助氏の言葉であり、
日本企業の「人」に対しての伝統的な考え方をあらわしている。

松下電器はどんな会社か?と問われたら、我が社は、人を作っております。
しかるのちに電気製品を製造していますと答えなさい
」と部下に話したと言われている。

企業から見た場合の前者(流動化)のメリットは「即戦力」をタイムリーに雇用できること。

後者のメリットは、企業の価値観を人材と共有することで長期雇用を実現し、早期・長期投資
の見返りとして人材の将来の「伸び代」を企業に取り込む事ができることであろう。

日本の場合は、短期間のうちに労使ともに「目先のメリット」のみを見て、急激に雇用形態が
変化してきたために、二つの形態のメリット/デメリットがはっきりと整理できないまま変化が
進んできていた気がする。

雇用形態が正規であろうと、非正規であろうと、結局「企業は人」であることは間違いない。

新しいビジネスモデルや商品を生み出すのも、管理するのも、悪い方向へ導くのも結局は、
すべて「人」である。

多様性のある雇用体系の元、「人」を継続的に作っていくことこそがやはり企業の力
であるのだと思う。

また雇用される側も、金銭だけでなく、企業から受ける教育分野などの目に見えにくい
「対価」に関しても、企業に対してどのように貢献して「お返し」する事が出来るかを
考慮する必要があるだろう。

近年、米国民の借金に支えられた強力な購買力の元、日本にとっては、「実感なき好景気」が
続き、人材市場は「売り手市場」であった。
(新卒採用市場でも、昨年は大卒1名に対して、2.14件の求人があった)

ところが今やこの市場が一変し、世界経済にも不安感が漂っている。

ここで声を大にして言いたいのは、こんな時こそ、リスクテイクを行い新しい産業自体を生み
出す力を持つ我々ベンチャー企業が、活躍の機会を持つことが必要だと言うことだ。

実際日本では、ベンチャー企業にとって人材採用面では急激な追い風が吹き始めている。

企業は人なり」。

我々ベンチャー企業が、今こそリスクを取って優秀で誠実な人材を多様性のある雇用体系で採用し、
人を作り、新しい産業を生み出し、世間に漂う閉塞感を吹き飛ばす為に、挑戦者として努力していくべきであろう。

結果はすぐには出ないだろう。しかし、少なくとも僕自身はこの覚悟を決めている。

2日後の4月1日、フリービットは新入社員を迎える、続いて、人事戦略担当の酒井氏が
オランダから帰国し、人材開発プログラムに本格的に着手し始める。

今、フリービットは「人を作る」会社へのシフトを大胆に行っている。

長期的な視野にたって、一歩一歩、着実に歩を進めていく。
繰り返しになるが、これがフリービットのやり方である。