FB SiLK Night #1 ご報告
昨日、2/4 フリービットでは新しい試みである、
投資家・記者懇談会である FB SiLK Night #1を
代官山で開催いたしました。
投資家/記者の皆さんにじっくりと戦略をご理解いただくために、
「膝詰め」ミーティングをイメージしました。とても近い距離感での
1時間半のプレゼンテーションでした。
参加していただいた投資家・記者の皆さんには
プレゼン内容、展示内容、会の内容自体大変
すばらしい感想をいただいていて、ほっとして
おります。
夜の開催であった事もあり、動画のアップがまだ
出来ていませんので、ブログでプレゼンテーション
内容を「速報版」としてご報告いたします。
詳細は、本日アップ予定の動画をご覧ください。
プレゼンテーション資料は、以下をご参照ください。
http://www.freebit.com/ir/pdf/2009-02-04.pdf
1.SiLK VISION 2010 ver2.0 ”上期の振り返り”
まず現在進行中のSiLK VISION 2010 ver2.0の”上期”を
振り返りました。こちらは、前回の事業説明会でご説明
させていただいた内容を中心に、スライドショーで5分間
にまとめた後、規模の変化をご説明いたしました。
経営リソースを、ユビキタス化事業4つの成長領域と
ハイブリッド戦略のうち、ハイブリッド戦略に多くを
割り当てる決断をしたために、結果として中期経営計画の
一年前倒しが視野に入ってきました。この経済状況下に
おいてすばらしい実績を出すことが出来たのは、この
リソース配分を行えた事も大きかったと考えています。
また、大きなISPビジネスの再編に関しても極めて効果
的に実行できることを証明したことも大きな意味があり
ました。今後は、中小規模だけでなく、更に大きな
ISPもハイブリッド戦略に加えていけるといいと考えて
います。
一方、4つの成長領域に関しては、想定内の成長に
留まっています。中期経営計画の下期に関しては、
この分野に対して重点的にリソースを配分して、
ユビキタス事業自体を切り開いていく覚悟です。
2.SiLK VISION 2010 ver2.0 ”上期”から”下期”に向かって
フリービットでは、1年半の間に多くの
「あたらしい経営リソース」を獲得しました。
まず、ネットワーク。DTIとの統合によって、コストが
30%以上下がっただけでなく、通常のコンテンツ提供で
必要となる、「上り」のトラフィックが20GB分空きました。
(回線は上り/下り全二重で購入します。FBは接続ユーザーを
多く抱えているので、通常のコンテンツ事業者とは逆の
トラフィックが発生します)
下りだけの利用で十分採算が取れている上に、この20GB部分の
上りトラフィックの余りを積極的に事業投資による利用(Ubic
Frontier等)や、買収、提携によって有効活用していきます。
ネットワークコストゼロで、コンテンツビジネスが出来ると
いうことです。
また、IPアドレスの枯渇という問題もフリービットにとっては
大きなビジネスチャンスになってきます。
続いて、サーバー。
仮想化技術の進展と技術革新によって、EmotionLinkが
必要とするハードウエアコストは数年前と比較して1/400まで
理論値では下がっています。こちらも大きな競争力になって
います。
そして、サポート。
サポートを唐津に移管して、完全自社運営したことによって、
コストパフォーマンスが飛躍的に高まりました。これからの
多彩なユビキタスサービスの進展を支えます。
最後に、コアコンポーネントAPI。
それぞれの機能強化によって、早期かつバグが少なく開発する
事が可能になりました。EmotionLinkも高級言語に書き直すこと
によって、ServersManの多機種同時開発を可能としました。
SiLK VISION 2010 ver2.0 ”下期”はこれらの「あたらしい
経営リソース」を、積極的な事業開発と買収戦略を
組み合わせて、最大限にレバレッジさせていきます。
今年のキーワードは”飛躍”です。大きな飛躍を目指します。
3.Post SiLK VISION 2010 ver2.0に向けて
現在、今年度の上期はSiLK VISION 2010 ver2.0の「先の世界」に
焦点を当てて、様々な準備を行ってきました。
「おとなしいけど、どうしました?」
と質問を受けることがありましたが、我々は「先の世界」をかなり
積極的に設定しています。その準備に多くの時間を費やしました。
3-1.人材戦略
大規模マネージメント、他拠点オペレーション、継続的なイノベーション
創造、PMI(買収後マネージメント)などの分野で仕組みづくりが必要だと
いうことで様々な取組みを行ってきました。
その中で、決め手となったのが、戦略的な人事マネージメント人材です。
今回、フリービットグループでは最高の人材を獲得することが出来ました!
http://www.freebit.com/press/pr2009/20090204_02.html
酒井穣氏。フリービットが課題図書に選んだ本の著者自らがオランダから
帰国し、フリービットの人事戦略の立案実行にあたっていただけることに
なりました。
我々は、フリービットがどのような人事戦略を立案し実行していったのか、
どのように「日本で最も人材を成長させられる企業」を目指したかという
成果を公開することにしています。
この件に関しては、ビジネス誌を中心とした記者さんから大変
注目を集めており、これらの経緯自体を連載してほしいとの
ご依頼をいただくほどでした。
最高の人材育成プログラム。思い浮かべただけでワクワクします。
氏は、5月合流予定で、現在オランダ滞在ですが、既にインターネットを
使って、フリービットグループ全GMに対するコーチングを開始して
いただいています。
3-2.中国戦略
こちらは、極めて順調に推移しています。「グレーなことは一切やらない」
というのが我々のポリシーですので、少し時間がかかっていますが、
サービス開発などは終了しています。UbicFrontier!戦略の一環としての
サービスは、中国のある分野で「初」になる予定です。
また、本格ビジネスの推進と、BII社との連携のために、北京に本拠地を
移動しますが、北京で活躍してくれる人材の獲得が終了しました。
多く権限委譲をする計画を立てていましたので、本当にしっかりと時間を
かけて慎重に人選を行いました。
コンピテンシーベースの採用を行いましたが、考えられないくらい
ハイスペックな人材のチームです。将来は中国戦略だけでなく、
世界戦略を担当していくことを期待しているチームです。
3-3.UbicFrontier!戦略
UbicFrontier!戦略は、「あたらしい経営リソース」を最大限に
レバレッジさせ、ユビキタス商材を生み出す戦略です。
ポイントは、「多彩な流通経路に乗る」ということと、
「無料から有料へ」。無料でユビキタスを「実感」していただき、
高い満足度を得てから、そこから有料オプションに誘導していく
ということです。
「髭剃りと髭剃りの刃」のビジネスモデルとなります。
「髭剃り」が無料で配布できることが、ビットの世界の
すばらしいところです。
[ServersMan]
ついに、ServersManシリーズの第一弾である、ServersMan@iPhoneを
発表しました。AppleのAppStoreの承認を受け、ダウンロードも
開始されました。承認日はデベロッパーサイドでは予期することが出来ず、
この日に公開されたというのは運命を感じています。
ServersManは、多彩なユビキタス商材を作っていくための一つの
レファレンスとなっています。
単に「ユビキタス商材をつくれ!」といっても企画できる人材は
本当になかなかいません。
ServersManは、使う部品、使い方、共通機能が明確に定義されて
いますので、様々な機器に対応した独自のサービスの構築が
簡単になっています。沢山のServersMan君たちが生まれてくると
思います。
http://www.freebit.com/press/pr2009/20090204_01.html
ServesMan@iPhoneで一番苦労したのが、実はユーザーインターフェースの
開発でした。
ServersMan@iPhoneは仮想化技術を使って、iPhoneを本当にサーバーに
変貌させます。「サーバー構築のオペレーション」をいかに簡単に
行うのかという壮大な目標にチャレンジしました。
完全に「未来のデータセンターのカタチ」を想定に入れたオペレー
ションでした。
企画陣、技術陣が懸命の努力を行ってくれ、Simple.コンセプトの
元、なんと5分以内に(実際は1分ほど)で、それらを実現して
くれました。
ServersMan@iPhoneに関しては、別エントリーで詳細をお話させて
いただきます。
[速報!!!!]
本日朝の時点で、ServersMan@iPhoneは、AppStoreの「仕事効率化」
カテゴリーにおいて、なんといきなり1位になりました!
また、全体においても13位にランクインしています!
*このランクは刻々と変化します
googleで検索しただけでも多数の好意的なレビューをいただいています。
また、記事にも沢山掲載していただいています。
IPv6プロダクトでここまで一般ユーザーの支持を得たプロダクトは、
世界で最初ではないでしょうか?
徹底した技術力で差別化を行いながらも、
簡単、安全、ワクワク!
このプロダクトを我々が生み出す事が出来ることを
証明することが出来ました。引き続き気を引き締めていきます。
DTIユーザーの皆さんは、当然、有料の「標準オプション」サービスを
サービス開始時より、無料でご利用いただけます。
ServersMan@iPhoneは、年度内の米国展開を目指しています。
新しい話として、iPhoneに続いて WindowsMobile版の開発進捗の
発表を行いました。WindowsMobileは多くの国で様々なSmartPhoneに
搭載されています。iPhoneとあわせて、3500万台で動作することに
なります。
WindowsMobile版は、iPhoneでは実現できなかった、
・バックエンドプロセスでの動作(他のアプリを利用しながらServersManが動作)
・外部ストレージへのアクセス(外付けSDカードの内容もサーバーに出来る!)
が可能となっています。かつてのNetscape社が行ったように、
それぞれのデバイスの特徴を生かした展開を行っていきます!
記者の方々も、この完成度に驚かれていました。
こちらは、中国を含めて展開して行く予定です。
そして、ServersMan戦略の一環として、株式会社エグゼモードとの
資本/事業提携の発表を行いました。
http://www.freebit.com/press/pr2009/20090204_03.html
フリービット悲願の「ユビキタス家電」の実現に向けた大きな
一歩です。
フリービットでは、「見たことのない未来の家電」作りを掲げて様々な
準備を行ってきましたが、ハードウエア部門を持たないために開発だけ
でなく、流通、在庫の問題などからなかなか進捗できずにいました。
じっくりと時間をかけて、パートナーを探し、ついに資本/事業提携に
たどり着きました。
# 親会社である、KFE様にはこの趣旨に賛同いただき大変感謝しております。
既存のメーカーのものづくりの構造では、「あたらしいもの」を生み出す
には困難な状況にあります、エグゼモード社は「あたしいものづくり」に
特化した業界では有名なものづくり企業です。
YASHIKA / EXEMODE ブランドでの自社ブランド展開と、缶コーヒーのBOSS等の
モデルのノベルティ家電のOEM等を手がけ、僅か数年のうちに30億円を
超える売上の会社に成長しています。
社長の藤岡氏は若干32才。僕達のユビキタス家電の「夢請負人」です。
エグゼモードの競争力はその価格競争力にあります。
例えば、800万画素のデジカメで8,000円程、720pのHDカムコーダーは
なんと13,000円程で販売し、年間40万台程のデジタル家電を出荷して
います!
フリービットは、継続課金ユーザー、ネットワークサービス、
課金システム、クライアントソフトウエア、仮想化システム、
そして、ハードウエアの開発、流通までを垂直統合的に組み合わせる
ことでソニーにもアップルにも出来なかった
「あたらしい時代のものづくり」グループとなります。
水面下で既に準備を始めており、最初はAppleのようにPCを経由しての
ユビキタスサービスを提供します。
#連携ソフト「ServersMan Friends」は「おせっかいやきの仲人おばさん」が
#モチーフとなっています。
エグゼモードのデジカメやカムコーダーをUSB接続すると、ServersMan
Friendsが認識し、
・静止画/動画を ServersManシリーズにワンクリックでアップロード
・静止画/動画をそのまま、アップロードなしにインターネット中継!
する事ができる画期的なサービスです。全てのエグゼモード機器に
バンドルしていきますので、13,000円程で自分の放送局を持つことも
できるわけですね。
年間40万台のハードウエア流通に乗って、裾野を広げる。
まさに、UbicFrontier!戦略です。
近い将来には、PCなしで直接、USDPAやWiMAXチップを搭載して、
「そのまま放送」が出来るようになるでしょう。
単にハードウエアを「販売」するビジネスモデルを続けていくつもりは
ありません。継続課金をベースにした「あたらしいハードウエアの
ビジネスモデル」の展開を準備していきます。Googleは、ネットワーク
サービスを無料にしました。我々はいつか家電を無料にしていくでしょう。
(家電をサービスモデルに変える)
世界の家電市場を取り込んでいったときに、大きな青空が見えてくると
考えています。
名著「イノベーションのジレンマ」で定義されている、低粗利率市場からの
「破壊的なイノベーション」を起していきます。高粗利市場にいる企業は、
この市場侵食に対応することは大変困難になるでしょう。
また、我々の若いチームで「見たこともない新しい家電」を皆様に
お見せしたいと思っています。大きなチャレンジです。
Exemodeプロダクトの例
こちらは僕も愛用しています。HD画質を直接SDカードでMP4AVCで作成してくれます。
大変重宝しています。
UbicFrontier!戦略は、ServersManシリーズだけではありません。
縦列戦略、横軸戦略を積極的に展開します。
4.Post SiLK VISION 2010
次の中期経営計画は、2013ではなく、2012を設定しています。
SiLK VISION 2012 が次のフリービットグループの中期経営
計画となります。詳細の発表は「今期内」を予定しています。
SiLK VISION 2010 ver2.0の最終年度となる2010/04をSiLK VISION 2012の
初年度と重ねて設定することにしました。当然、2010/04の数値は、
現在発表しているものよりも「強気」な内容となる見込みです。
SiLK VISION 2012を設定する基準として、現在の閉塞感をどうやって
我々ベンチャーのチャレンジよって打破していけるかということを
考えました。
方向性が見えない今、もう一度考えないといけないのは
「あたらしい社会インフラ」の整備が重要であるとの
結論に至りました。
「あたらしい社会インフラ」が生まれたときに、「あたらしい発想」が
生まれ、新しいビジネスが生まれ、そして社会に成長や未来への
明るさと、信用が生まれてきます。
また、我々の企業理念、そして強みを生かして、チャレンジできる
キーワードであるとの結論に達しました。
そして、SiLK VISION 2012で設定したテーマが
「Smart Infra」です。
既存の重いインフラの上に、我々のグループが生み出す付加価値を
追加することで、軽くて賢いSmart な Infraを創造します。
2012年までは、「ITインフラ」に絞って展開しますが、その後は、
交通、教育などなど、様々な社会インフラにSmart Infraを展開して
行きたいと考えています。
例えば、Smart Infra的思考で、どれだけ「発想が変わるか」という例を
ご紹介すると、ITインフラの代表例としてiDC(データセンター)です。
インターネットのサーバーを支える重要なインフラですが、非効率さが
問題となっています。
それを、Smart Infraを使うと、、、
手に持っているのは、実際に稼動しているServersMan@iPhoneを利用した、
5Uの「サーバーラック」です。本当にラウンドロビンを行い、「冗長化」稼動しています。
机に置ける、サーバーラックが生まれます。
(例は、5U(5台のサーバー)を収納できるラックの例)
今の携帯は十分にサーバーになる能力を持っています。
DTIの設立時のWebサーバーの機能を凌駕しています。
いくらトラフィックが増えたといっても、当時の
プロバイダのメインサイトを越えるトラフィックが必要な
企業も少ないでしょう。
このタバコケースと比較できるくらいの大きさの
ケースを会社の机の上に置いておけば、それが
Webサーバー/メールサーバー/ファイルサーバーなどの
機能を満たしてくれる日がすぐに来るでしょう。
我々は、Smart Infra構想に基づいて、既に舵を切っています。
あたらしい経営リソースをレバレッジさせ、この構想実現に
向けての事業開発と同時にこの領域の買収を果敢に行って
行くことを宣言いたします。
詳細は今期内に発表いたします。
今後は、この準備フェーズを終え、文字通り怒涛の
展開を行っていきます。
第二部の懇親会も時間一杯まで沢山の方に残っていただき、
実務を担当しているフリービットグループのGMの皆さんとともに
大変熱い会話を交わしていただきました。
ご参加いただきました皆様本当にありがとうございました。
また、会場を提供くださった、代官山MARにも感謝いたします。