2009年4月期第1四半期決算発表会
9月9日に第1四半期の決算発表会、ならびに戦略説明会を
行いました。
会場には約70名の機関投資家、メディアの方々にご来場いただきました。
会の模様は、既にビデオにて掲載されていますので、
全内容に関しましては、こちらをご覧ください。
http://www.freebit.com/ir/movie/2008-09-09_FLV/index.html
詳細はビデオをご覧いただくとしまして、当エントリーでは
主に要点と補足説明を中心にご説明させていただきます。
1.1Qの決算のご説明
今回の決算には、先日株式会社ISAOから取得を発表したインターネット接続事業は
含まれていません。当該事業は2Qの途中からの連結を予定しています。
(当該事業は昨年実績では 取扱高 約10億、利益約1億となっています。
FB連結に当たっては売上基準をNET計上ベースに変更いたします)
売上高 27億3200万円 (前年同期比 約2 倍、半期進捗 54.6%)
純利益 4億8100万円 (前年同期比 約8.4倍、半期進捗104.7%)
*前期比は前期「個別」と今期「連結」を比較
となっており、前年同期比ベース、半期進捗ベースでも大変
すばらしい進捗となっております。
利益ベースでは、1Qの段階で半期予測をクリアしております。
主な変化の要因としましては、先日業績予想の修正の際にご説明させて
いただきましたとおり、
・[ユビキタス化事業>四つの成長領域>メッセージング事業]
におきまして、NEC社をフロントとしたSIP関連商品のライセンス販売、納品が完了
(一部前期予定が期ずれ計上)
・グループ間シナジーによって各種コストパフォーマンスの向上
となっています。
ブロードバンド化事業は、前年同期比 約2.9倍となりました。
主な要因としては、
・ハイブリッド戦略の進捗
・ISP’s ISP事業におけるFTTHアカウント増加
となっています。
今後の主力であるユビキタス化事業に関しましては、前年同期比13.6%増と
なりました。ブロードバンド化事業と比較して伸びが少ないように感じられ
ますが、前期の1Qでは、楽天向けメッセンジャーサービスのSIや、
共立メンテナンスとの長期契約締結に伴う機器資産の売却などの一時売上
4億円が入っておりましたので、これらを除くと、実質的には3倍程の高い伸び
を実現しています。
1Qに関しましては、大変順調な進捗になったと思っております。
引き続き、2Q以降もSiLK VISION 2010 ver.2.0の実現に向けて
粛々と進んでまいります。
2.1Qの進捗とトピックのご説明
・メッセージング
NEC社との新保守体制の構築。新体制に基づいての、キャリアへの
導入が完了。
・VPN
某官公庁向けの実証実験にMyVPN USBノードが採用。
ユビキタスサポートシステムSiLK Touchをリリース。DTIにて実績を上げる。
IPv4固定IPアドレスを利用したVPNサービスは、ユビキタスからブロードバンド
領域への売上カテゴリー変更を行う。これらの顧客をEmotion Link利用に乗せかえを
行った場合にユビキタス領域に計上する。
・アドテクノロジー
採用社数が前期末比で15%増加。コミュニティFM向け独自アドネットワーク構築は
11社が既に稼動。今後さらに多くの局に対しての提供を行っていく。
売上目標は下期偏重。
・モノ・コントロール
「アプリケーション自体がIPアドレスを保有する」しくみが特許化。
ホームオートメーション向けの実証実験を開始。納品終了。
・中国事業
中国のインターネット市場は今後も爆発的な伸びを示す模様。
昨年1年間にフランス全人口分のインターネットユーザーが増加している。
2012年までに日本の人口2倍分の増加が見込まれている巨大市場となっている。
中国事業のロードマップが完成しました。そしてそのロードマップに基づいて
成功に向けての要素を割り出し、それぞれの要素に対してリソースの割り当てを
行っています。
また、同時に中国国内での新しいインターネットの考え方に関しての
世論形成も、現在執筆を行っている中国企業家コラムにて積極的に
展開しています。
・ハイブリッド戦略
ISPを買収し、事業構造を改革し、ユビキタスユーザーを確実に増やしていく
というハイブリッド戦略はも順調に推移をしています。説明会では、
ハイブリッド戦略のフレームワークをご説明いたしました。
ハイブリッド戦略の中心となるDTIでは、フリービットによる買収後の「止血」
「体質改善」が完了し、多くの利益を創出できる事業構造に短期間に変化
しました。
今後は、ユーザーを伸ばしていくフェーズへシフトしていきます。
フレームワークとしては基本的にこの図にあるとおり、
・獲得(買収と、新マーケティング)と維持とARPUの向上
・ユビキタスサービスの投入利用パラメーターの確認
それぞれの分野に担当部署を割り当てて推進してまいります。
3.SiLK VISION 2010 ver.2.0の先の世界
まず、最初にSiLK VISION 2010 ver.2.0の先の世界を描く上での
骨子のご説明を行いました。
・理念に忠実に
・FBは次世代の「インターネット運営自体」を世界中を対象に
ビジネス展開していく
・サブスクリプションモデルを徹底する
・また、インターネットの世界でも広がっている「無料化」の
波に対しても独自手法で明確に手を打っていく。
という事を厳格に意識しながら事業を進めていきます。
また、事業開発、M&A等を行っていくうえでのフリービット
グループの「強み」(FB付加価値エンジン)に関しても整理を
行いました。このFB付加価値エンジンを最大限にレバレッジ
させてSiLK VISION 2010 ver.2.0に続く世界でも大きな成長を
実現していく所存です。
このFB付加価値エンジンを使って、シナジーのあるM&Aも
積極的に推進していきます。説明会でCFOの田中が話を
していましたが、営業利益の積み重ねによって自己資本
比率も高まってきていることから、debtによる調達も
視野に入れつつ展開していきます。
またシードからのビジネス推進としましては、新しく
「多様な流通経路を駆使した、シンプルかつ多彩な
無料プロダクトの提供による、ユビキタス普及と
有料サービスへの誘導」を目指す Ubic Frontier! 戦略を推進していくことを発表いたしました。
DTIブランドでユビキタスサービスユーザを獲得するだけでなく、
多彩な無料サービス → DTI Ubicプラン
という導線も世界を相手に開拓していきます!
無料化が実現できる背景としては、
・DTIとのNW統合によりネットワーク「上り」トラフィックが
月額相当1500万円~2000万円分余剰。
→コストを増やさずに、中規模コンテンツサイト20個~
50個程のトラフィックをまかなうことが出来る。
・サーバーの仮想化に成功し、EmotionLink運営において
当初の1/400のハードウエアコストで運営できるようになった。
・唐津SiLK Hotlinesの立ち上げ成功によって、サービスと垂直統合
し、コストパフォーマンスの高いサポート体制を迅速に立ち上げ
られるようになった。
また、各種サービスをくみ上げる部品はすべてコアコンポーネントAPIと
して完成しているので、バグなしで速やかなプロダクト開発が可能な
体制はそもそも保有していました。
DTIユーザーに対してユビキタス商材をご提供していく流れだけでなく、
二桁から三桁上の規模であるDTI以外の膨大なインターネットユーザーに
対して無料プロダクトを提供し、ある閾値を超えた場合は有料
(DTI Ubicプラン)へスムーズに移行できる流れを作っていきます。
Ubic Frontier!の一環として仮説として準備している切り口の一つが、
AppleのiPhone対応です。
iPhoneは、Appleが運営するAppStoreを経由して世界中でアプリケーションを
流通させることが可能な仕組みとなっています。
Apple社は年内に1000万台を出荷することを目標としており、既に開始
2ヶ月間で1億ダウンロードを達成しているという巨大市場です。
(出荷台数を仮に500万台だとすると1台あたり、2個のダウンロード)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/10/news029.html
今回Emotion LinkをiPhone対応させ、直接iPhoneに仮想化技術によって
IPv6のグローバルアドレスを割り当て、iPhone自体をWebサーバーに
”変身”させるテクニカルデモを行いました。
世界中で最も普及している、
・ネットワーク常時接続
・常時通電
それも、ワイヤレス! という端末の特徴を生かして、ワクワクする
新しいインターネットのカタチを提案していきたいと思っています。
[日経パソコン記事]
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20080909/1007816/
Steve Jobs的な表現を使うと「Servers to Go」。
「持ち歩けるサーバー、サーバが進むべき道」
ということになると思います。
Googleはすべての情報をコピーして巨大なサーバーに収納し サービスを提供します。フリービットはSiLK のような 丁寧かつきめ細かいネットワーク技術によってそれらを 分散させる方向を目指しています。
IPv6でiPhone上で動作するWebサーバーにアクセスした画面
技術的には、DTIで提供しているSemantiq Nodeをベースに
していますので、完成の域に達しています。
また、セキュリティ面でもこのアプリケーション自体に、
このアプリケーションで利用する為の専用の
IPアドレスを割り当てていますので、iPhoneの他の部分に
アクセスすることは一切ありません。
AppStoreの登録には、Appleの認証などが必要で、多言語の
対応などまだまだ課題が残っていますが、是非とも
世界中のiPhoneユーザーが「自分のwebサーバー」と
一緒に生活が出来るようにリリースに向けて努力をして
行きたいと思っています。
Ubic Frontier! 戦略では、ユビキタス化技術を利用することで
初めて実現可能になる「見たことも無い」プロダクトをどんどん
世に送り出していく計画です。
現在、粛々と進捗中のSiLK VISION 2010 ver.2.0に加え、
Post SiLK VISION 2010 ver.2.0に向けた戦略の一つとして、
Ubic Frontier!戦略を開始することによって、2010年以降の
世界をすこしずつ明確にしていきたいと思っています。