中国企業家#2「上場1周年」

中国企業家#2「上場1周年」

中国企業家のコラムの第二回が掲載されました。
第一回目のコラムが大変評判が良かったようで、本誌掲載も今月から
始まっています。本誌の発行にあわせて、月二回のペースで執筆に
取り組んでいきたいと思います。

第二回目は、上場一年を経過して、一年間の取組みのフレームワーク、
自分自身への自戒、そして、中国の過熱感のあるIPO市場に
対するメッセージも含めて、「上場一周年」というタイトルで執筆してみました。

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僕が経営するフリービット株式会社は、2008年3月20日に上場1周年を迎えました。

先月、2007年の1年間(2007年1月1日-2007年12月31日)の新規IPO企業の
上場後のパフォーマンス(投資情報サイト「東京IPO」調査)と、新興市場
上場企業の2007年度(2007年4月1日~2008年3月31日)の
年間値上がり率(日本証券新聞調査)を示す二つの調査結果が発表されました。

フリービットは、その二つで一位を獲得することができました。

株価は市場が決めるものですので、株価の高低に関してはコメントしないことを
ポリシーとしていますが、昨年の日本全体の株価に「元気がない」と言われる中、
株主の皆さんに「1位」のご評価をいただけたことは、大変喜ばしいことであると
感謝しています。

上場1年生の社長として心がけてきたことは、


1.有言実行
2.透明性の高い情報開示
3.誠実であること

の三点です。

昨年6月に中期経営計画を発表し、まず明確な会社のビジョンと3年後の目標数値を示し、
株主と顧客のコンセンサスを得てから、その計画を懸命に努力して粛々と実行しています。
売上/利益ともに前期比大幅のアップを目指し(3/10発表予想より)、昨年6月に発表した
中期経営計画も1年前倒しでの達成(SiLK VISION 2010ver.2.0)を目指しております。

まず方針を示し(有言)、それを実現する(実行)事によって、一歩一歩株主と顧客の
コンセンサスを得ていくことが大切であることを学びました。

また、そのコンセンサスを得ていくためには、透明性の高い情報開示が必要だと思います。

フリービットでは、1年間に 69回のIR/プレスリリースを行いました。
また、僕の自身のBlogでも、インサイダー情報に十分留意しながら、164回更新し、
自分自身の考えや取組みも積極的に発表してきました。
(その結果「CEO」で検索すると、日本Googleで31番目、日本Biduで35番目に
僕のBlogが出てくるようになりました!2008/5/7日時点)

当然、IR(Investor Relations)とは、株価を上げるための物ではなく株主との“継続的な”関係
作りですので、いい情報だけでなく、悪い情報が発生した場合も即座に開示し、その
理由説明を行ってきました。

これらすべてのことを「誠実」に取り組んできたことが、1年間の評価につながったのだと
考えています。

ソニー創業者、盛田昭夫氏は

「“競争に勝つ”ということは“時間を稼いだ”ということに過ぎない」

と言われました。“稼いだ時間”を最大限に有効に活用して、次への成長に向けて努力をし
ていきたいと思っています。

PS.
中国での事業準備も着々と整ってきました。
上海のIT企業の皆さんからもポジティブな反応をいただいています。
次回は、日本で評価をいただいているフリービットの事業の内容とアジアのインターネット事情などに関してお話できればと思います。