2008年 米国視察 その1
1/5より米国視察出張に行ってきた。
昨年末に、SiLK VISION 2010 ver2.0を策定し、2年後~3年後の
詳細戦略立案の為に、情報のインプットといくつかのコネクション
作りが必要となっている時期であるので新年の忙しい時期であったが、実行した。
フリービットは、コンベンションに出展する場合も、視察する場合も
かなり効果的に利用するという企業文化がある。
出井さんと出会い、今のフリービットの基本戦略であるユビキタスに
目覚めたのも、1999年のComdex(DTI時代)であったし、
Ubiquitous HUB構想の原型のDigital HUB構想に出会ったのも、
2001年のMacworldであった。また、既存のパートナーさんとの
出会いもあったし、Dream Security Styleを共同開発した
オムロンさんともコンベンションで出会った。
また、CESの場合は、同時期に業界のトップが連続的に基調講演を行うことにも
特徴がある。同じ時系列で異なる企業トップの声を聞くことは大変有意義な
経験となる。
# CESとは、世界最大のコンシューマーエレクトロニクスの展示会です。
# 世界中から2700社ほどが出展します。
上場前の2年間は封印していたが、3年先の方向性を示した今、
次に向けての準備の為に強行日程だったので行くべきか迷ったが、
大変素晴らしい成果を上げることができた。また、年末年始の
個人戦略合宿にいい「コンテンツ」を追加することができた。
1/5
成田空港に到着後急いでブログをアップ。年始からすごいスケジュールで
なかなかアップする時間が取れなかった。。。
NW08便にてシアトルを目指す。空港で某社の某事業の総責任者の
方とお会いする。CESでも大きな発表をされる予定だったようなので
いい情報交換ができる。機内では、隣の席の大学の先生という方と
情報交換。米国の景気などに関して色々と質問。色々と理解。
— ここから米国西海岸時間
6:50 シアトルタコマ空港到着。
早速空港でミーティング一件。
空港には、wayportとattwifiがあるのでインターネットはすぐに使えた。
9:00 アラスカ航空でラスベガスを目指す。
12時過ぎにラスベガスのホテルに到着。懐かしい街並み。
チェックイン後、インターネットのセットアップ。
結構古いホテルなので心配だったが、何とか利用できるようになる。
スタッフは明日からの移動に備えて事前の下見に行ってくれる。
効果的に視察&ミーティングができるように、道順なども含めて
詳細の計画を立ててくれる。僕は部屋で、日本からの連絡事項や
メッセージに返答を書く。時差の関係でかなり眠いが頑張る。
ここで寝てしまったら時差ぼけになる。
続けて、いくつか戦略メモなどを執筆。無事終了。
疲れた体にムチを打って、一件目の視察を行う。
3年前との「変化」が視察の重要なポイント。いくつかの指標に
基づいて現場で「実感」する。プライスの変化が一番気になった
ところ。かなり高くなってきている。ふむ。
また、街中では普通の人が使っている携帯電話を気をつけて
見てみる。ビックリしたのがビジネスマンの半数がSmartPhoneを
利用していること。また、iPhoneを使っている人が相当多い。
windows mobile系、Blackberry系が強い。
夜は、ホテルの近くのデニーズで夕食!
米国のデニーズはお酒は出さない。メニューも全然違う。
その辺も含めて、今回初渡米のスタッフもいたので色々と米国事情
などを実感してもらう。
部屋に戻って、明日の視察日程などに関して情報のシェア。
locationfree + EmotionLinkでいくつか日本のニュースなどを
チェック。
23:00 明日からの視察&時差ボケ調整の為に気合を入れて眠る。
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1/6
7:00 ぐっすりと眠って起床。時差ボケはなし。良かった!
日本とのやり取りをいくつか行う。
午前中は、複数のコンピューター/デジタル系の家電量販店と
書店の視察。
僕の視察方法として、
・各種量販店の売場面積や位置は厳密な市場調査で決まる ・逆にその売場面積の差や変化を調査することで 市場ニーズを正確に把握できる
ということを10年くらいの経験で確立している。
単に「見る」だけだと成果を上げることはできない、
現地で「見て感じること」を大切にしつつも、しっかりと
した「論拠」も同時に把握できる手法として活用している。
(家電量販店の印象)
・ルーター/無線のコーナーがとても大きくなる。3年前は、家庭内の
LANに関しては低速PLC(電力線インターネット)が中心だったが、
高速無線が主流かつ普及をし始めていることが分かる。
日本と比較して低速ながらもブロードバンドの普及が実感できる。
11n関連の製品も並ぶ。
→同時にPLCの速度限界が無線へのシフトを促した理由かも知れない
という仮説も立ててみる。
・ホームストレージ分野は活況。
外付けHDD関連の売り場面積がとても広い。回線事情からリアル
タイムストリームよりソフトで工夫して一度ダウンロードする用途が
大きいとのこと。ビジネスチャンスを感じる。
・ホームセキュリティに関してのニーズは極めて高い。
Dream HomeSecurity Style程の完成度は無いが製品は存在。
・フォト市場は極めて大きい。デジカメコーナーの位置取り、
デジタルフォトスタンドの商品ラインナップの多さなど。
ここにもビジネスチャンスを感じた。
・プロバイダによるインセンティブは行われていなかった。
NetZeroの入会CDがおかれているのみだった。
(無線系はインセンティブが行われていたようだ)
などなど。
(書店の印象)
・日本のmanga文化は本当にここ数年で浸透している。
コンピューター書籍コーナー以上の売り場面積を占めていた。
今までに無いこと。
・中国語への興味のシフトが見られた。売り場面積でも、
日本語の3倍を占めている。政府が日本のサブカルチャーを
中心としたプレゼンスアップを企画していることも実感
できた。このままじゃ本当にいけないと思う。
・コンピューター雑誌のコーナーの広さはほぼ変わらず。
ただ内容はかなりの変化があった。いくつかの雑誌を見て
見たところ、SOHO / 小型VPN の記述が見られた。
EmotionLink関連のニーズも強いなぁ と実感。
などなど。その他、いくつか素晴らしい発見もあった!
12:30 ベネチアンホテルでCESのレジストレーション。
やはり豪華なホテルだ。
13:50 Bill Gates氏のkeynote speachを見るために一般列に並ぶ。
VIPチケットの入手は可能だったが、Bill Gate氏の最後の
CESのKeynote Speachへの世間の期待感を実感するために
気合を入れて約4時間30分並んでみる!
色々と情報が取れた。贅沢な時間だった。
18:30 Bill Gates氏の基調講演。
内容に関しては各種メディアで報道されているので、
そちらをご参照ください。実際に話を原語で聞くことで、
本当に多くのことを得ることができた。
・Semantic化への動きはこれからの主流になる
・Semantic化の手段としてのUbiquitous化が必要
・Semantic化の目的は、Natural User Interface
音声、そして画像(動画)のリアルタイム認識。
目指す方向性は「Simple」一本。
・any device / any time / any place へのシフト
FBグループが目指す方向性と殆ど一致していた。
その為の技術だけでなく、運用も含めたノウハウをすでに
持っている事の強みを実感できた!
20:00 夜は、Outbackへ。 ここのホテルの近所。
デニーズのお隣さんくらい。
日本にも進出しているカジュアルなステーキ屋さん。
渋谷にもある。おいしいカンザスビーフが手ごろな価格で
食べられる。
一日かなり頑張ったので、スタッフにご馳走する。
基調講演の感想などを交換しながら、今後の戦略に
関してシェアをする。いい食事の時間になった。
今日はお酒も飲む。
運試しに、$20程スロットマシーンをしてみたが、
すぐに負けてしまった。。。とほほ。。
まあ運を使わなくて良かったと気分転換!
いやいや、今日は疲れた。でも収穫が大きかった。
視察内容や基調講演に関しての内容を気合でメモにまとめる。
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1/7
6:00 早めに起床。昨日のメモにインターネット関連で情報が
取れる部分は付加していく。
ホテルのインターネットの調子がすこぶる悪い。
CESで多くの関係者が来て利用量が急増しているのだと思う。
9:15 スタッフと集合して、ヒルトンホテルへ移動。
9:30 Yahoo CEO & Chief Yahoo Jerry Yang の講演のために並ぶ。
Yang氏も昨年yahooのCEOに復活されている。googleに逆転されて
しまった今、創業者の打つ手に注目していた。
しかし、行列への参加者、プレスともに少なかった。
すでに米国ではこのくらいの注目度なのかな、、、
(1時間半前に張り切って並んでいたら、何と1番だった!)
ビジョンとしては語られなかったが、実は彼が使った
「ある言葉」の中にそのヒントを見つけた。
これは、素晴らしい成果だった!
ランチは、時間が無いのでサンドイッチを会場の床に座って
急いで食べて、CES初日の会場の視察。
事前にスタッフが道順まで含めて準備をしてくれていたので、
みんなへとへとになりながらも、効果的にまわることができた。
時間が取れれば、会場をゆっくりとまわって、「偶然の出会い」が
コンベンションの重要な効用なのだが、今回はスケジュールの関係
でそれができずにとても残念。
興味を持ったのは以下の展示。積極的に質問もして理解を深められた。
・Sony near field connection
以前、出井さんから研究段階のものを見せていただいていたが、
実際に、VAIOの上に置いたカムコーダーから接続なしで、
動画がストリームできるレベルまできていた。素晴らしい。
この分野の通信はPAN(Personal Area Network)と並んで、
次の技術としては重要。
・松下 150inch プラズマ
ダブルハイビジョン品質。さすがに圧倒された。
松下やシャープは大画面のテレビを家の「変更可能な壁紙」とする
コンセプトを提唱していた。シャープでは、108インチの液晶テレビの中を、
52インチのテレビ、絵、時計、カレンダーに分割して提案していた。
これも、4年ほど前に出井さんが提唱されて、某建設メーカーと話を
進められていた内容。早かった。。。
・Wireless HD
HDMIを無線にしてしまおうという規格。日立では11nに乗せていた。
20Mbpsで送っているということだったが、えらくガタガタしていた。
SONYのブースではかなり綺麗に出ていた。
比較ができるのも展示会の醍醐味。
・UMPC関連
マイクロソフトが提唱する、超小型PC規格。
今後のユーザーインターフェースの研究の為にも各社のものを積極的に視察する。
・keybord 関連
以前から注目していた、キートップの表示をソフトウエアで変えらるもの。
ロシアの会社のブースで実物を見る。すべてのキーに液晶がついていて、
リアルタイムで表示を変えられる。面白い。
来月から日本でも発売されるとの事。$500からスタート。
15:30 Intel CEO Otellini氏の基調講演視察。
Sonyの某先生と偶然会場でお会いしたので、並んで見る。
大変有意義な時間でした! ありがとうございます。
Intelの講演としてはもっとロードマップなどを聞きたかった。。。
初日のCESは、18時にcloseなので一度ホテルに戻る。
19:30 ホテルのちょっと怪しい中華料理屋さんで食事。
前菜は 餃子とエビフライと焼き豚。。。
出張の結果のラップアップミーティングをしながらの食事を取る。
チンタオビールを2本ほど飲む。疲れが癒される。。。
その後は、部屋で帰国の準備とひたすらレポート。
それから通常業務等など。インターネットの調子が悪いので、
とにかく大変だった。。。
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1/8
4:45 起床。
インターネットの調子が悪くて昨晩できなかった仕事をこなす。
それから、帰国の最終準備など。
6:30 ホテルをチェックアウトして、ラスベガス国際空港へ。
ロスで乗り換えて、日本を目指す。
飛行機で隣になった人が、離陸前にiPhoneをいじっていたので、
色々と質問してみる。日本での発売が楽しみになってくる。
また、iPhoneで利用できるいろんなソフトに関しても興味が
出てくる。ふむふむ。本当に貴重な情報が取れた。
米国ではそれなりに有名なブロガーさんであるとの事。
SemantiqNodeに関してもとても興味を持っていただいた。
いい出会いだった。
昼食後、時差ボケ対策の為一眠り。
— ここから日本時間
1/9
12:00 気合でおきて、出張レポートを書く。2時間ほどで何とか
大まかな情報はすべて入れることができた。ふう。
その後はひたすら読書。貴重な時間。
16:30 成田に無事到着。
18:30 そのまま出社。
FB/DTIのスタッフの皆さんに帰国&新年のご挨拶。
田中CFOと少しミーティング。
スタッフと情報交換など。
20:30 帰宅して、一人でコンビニ弁当。。。
出張中に処理し切れなかった業務などを一生懸命こなす。
すごい日程だったが、本当に有意義な視察出張となった。
米国出張はもう一件待っているが頑張るぞ。
同行してくれたスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
また、留守中支えてくれた皆さんにも感謝です。