第83話 2001年を振り返って(長文)

第83話 2001年を振り返って(長文)

ishida事業説明会にてスタッフ全員に一年間の総括と今後のビジョンを説明する石田氏
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早いもので2001年の連載も今回が最後となる。昨年にならって一年の総括を行って今年最後の連載としてみたいと思う。

1.「2001年予測」を振り返って

昨年の日記にて,

「2001年は,インターネットインフラが“本物”になる年だと思っている。接続コストに関しては,米国とのコスト差が縮まり,インターネット普及率が低い理由をNTTの通信料金だけになすりつけておけない時代になってくる。インターネット関連業者の真価が問われる時代になると思う。」

という「方向性」の予測を行ったが,2001年は本当にこの通りの展開になったと思う。ADSLや光ファイバーサービスの価格低下と普及により個人のインターネットインフラがまさに”本物”になった年だったといえる。プロバイダを含むインターネット関連業者も完全に”真価が問われる時代”となり「成長の為に手を打つ」組と,「生き残りの為に手を打つ」組に二分されるようになっている。料金に関しても,ADSL等は十分に安くなり,一般的に言われる普及ゾーンに完全に達してきている。

この料金に関してはもっと踏み込んだ予測を行った。

「一つの尺度になるのが,米国の接続環境と同じ「56K〜64Kで電話料金込み使い放題で月$30」だと思う。」

実際に,料金は3,000円〜4,000円となり,「電話料金込み$30」という予測が的中し,僕の長年の夢が実現された。また,それだけではとどまらず接続スピードにおいては,予想を大きく上回る最大8Mbpsを家庭に届けることができるようになった。これは,本当に大きな喜びである。

僕は,バックボーンのコストの推移からこの帯域と料金の予測を行った。一見,帯域が増えているためにコストが合わなくなっているのかと思われるかもしれないが,ふたを開けてみればそうではない。それは,現在のADSLは,その特徴のひとつである「常時接続」の利用が主であり,もうひとつの特徴の「高速接続」に関してはまだまだ瞬間的にトラフィックがあがるだけで平均すると,僕の予想した帯域にも全然達していないのが事実なのである。

これは何を意味するかというと,現在のADSLの価格の多くは「高速接続」が「使われない」事を原則として設定されていて,本当に「高速接続」を必要とするキラーアプリケーションが生まれたときに,料金と帯域の関係が再考される可能性があるということだ。

この問題や,地域格差の問題を吸収するために,FreeBit.ComではADSLの速度切り替え技術の開発を行った。接続事業者は,現在のサービスが維持できるよう本当に”真価が問われる時代”になってくると思われる。

2.FreeBit.Comの2001年

FreeBit.Comの2001年を振り返ると

2月 「2000年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞」受賞

3月 ADSL速度切り替え技術の開発

プロバイダへの技術提供(パートナーシップ)の拡張

4月 ReSET.JPの発表

経団連にてプレゼンテーション(SONY出井会長との出会い)

5月 ReSET.JPサービスのスタート

新サポートセンター稼動

7月 株主総会

「xService Provider」のポリシーを発表

8月 ReSET.JP/OpenBit.Netのサービス大拡張

BitBasket2.0βリリース

9月 xService 事業スタート(SONYとの協業が本格的に開始)

12月 SONYへの第三者割り当て増資

「ゴルゴ13インターネットサービス」開始。

と,かなり充実した日々をスタッフと共に過ごしてきたことが分かる。

大きく分けると,

・ビルディングブロックの完成と積極的な提供開始

・ReSET.JPのスタート

「21世紀のプロバイダのかたち」の提唱

常時接続,ユビキタスへのFreeBit.Comとしての回答を示す。

・xService Provider事業のスタート

将来の「サブスクリプションモデル」への対応。

という三本の柱を実現することが出来たのではないかと自負している。

企業としてのFreeBit.Comもこの不況期におきながら順調な成長を続けており,毎月10%〜20%の成長率を達成することができている。

「立ち上げ」「成長準備」「成長」と三つのフェーズを経てきたが,来年はあらゆる意味で「ブレイクスルー」を目指していきたい。前半はその為に考えうる全ての準備を行い,後半に「ブレイクスルー」を迎えたいと思っている。

サービスとしては,「PCに依存しないネットワークのかたち」や「インターネットインフラの新しい使い方」等を提供できるのではないかと思っている。今年も一年間ご愛読いただきましてありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。がんばります!

【関連ページ】
第35話「2000年を振り返って」(長文)

12月12日(水)
昨日のSONYとの忘年会のお酒が少し残っていたが,薬を飲んで復活。午前中は,日記の執筆,OpenBit.Netのプラン作成。正午「ゴルゴ13インターネットサービス」が無事スタート。予約ユーザーだけでかなりの数に上った。ゴルゴ13ファンの力強さを感じる。午後から,アッカの宅内調査。その後,JCBへ伺ってミーティング。オフィスに戻ってから,法人向けブランドのプロモーションプランの検討。19時よりStatusミーティング。OpenBit.Netの進め方などに関して議論。その後,フロム・エー OpenBit.Netに関しての打ち合わせ。夜は,岡田さんの誕生日会を渋谷のお寿司屋さんで行う。家族経営のとてもリーズナブルなお店。楽しい会になる。

12月13日(木)
朝は,フロム・エー OpenBit.Netに関してのメモ作成。その後,某プロジェクトの技術打ち合わせの資料作り。結構時間がかかる。夕方から,社内での技術ミーティング。さらに詳細に内容が見えてきた。一安心。夜は,六本木にて木村太郎さんと夕食。近況報告と,インターネットプロジェクトに関しての打ち合わせ。その後,オフィスに戻ってきていくつか打ち合わせをして帰宅。

12月14日(金)
早めに起きて,本日のミーティング向け資料の作成。15時より月次の取締役会。11月の決算の報告。売上,入会者とも過去最高になる。あともう一歩だ!その後,某社にて打ち合わせ数件。オフィスに戻った後はメモ作成数件。

12月17日(月)
朝は電話で自宅からいくつか指示を出す。その後日記の整理とドキュメントの作成。SONYへの某案件の報告書も作成する。ただ,なぜか体調がイマイチ。
出社後,いくつか報告案件を聞く。その後,ASPミーティング。主に,広告販売に関していくつか指示を出す。体調が優れなかったので,早めに「たもいやんせ」へ。鍋を食べて元気を出す。途中から,某社との食事会の席にも少し顔を出す。

12月18日(火)
早めに起床。Letter From OpenBit.Netに関してのレポートを読む。出社後,サブノートのカタログを色々と検討。本当に持ち運ぶ為の小さなものを検討。VAIO C1がいいのだが,スロットが一つ足りないので涙を飲んであきらめる。(僕は,Microdriveにデータを入れているので,もう一つポートが必要)スロットの多さと大きさから,Fiva216Xに決定。オンラインで購入。夕方,日経新聞の取材。その後,経営会議。いくつかの重要案件に関して協議。その後某社にてミーティング一件。体調が優れないので,早めに帰宅してコンビニ食。。。