中国で筋斗雲発表!10月の中国出張
今回は16日~21日まで北京・無錫を訪問した。
「仮説」から「実行」へ様々な案件がシフトしてきている今、
本当にすべてがフルスピードで動いている。今回は体力的にも
今までの出張で一番タフな内容となった。
ある日は、一日のスケジュールの数が22件にもなり、風邪もひいてないのに、
一日が終わると声が出なくなることもあった。これらのスケジュールを
支えてくれているスタッフ、秘書さんチームに本当に感謝感謝です。
1.筋斗雲社(Smart Cloud) 個人向けクラウド環境「筋斗雲」リリース対応
出張前の10/12、AigoとのJVである筋斗雲社が遂に最初の
プロダクトとなる「筋斗雲」を発表した。
http://www.freebit.com/press/pr2010/20101013.html
筋斗雲記者発表の様子。wang COOのプレゼンテーション!
これは、AppleにとってiTunesにあたるソフトになる。
Appleは、Digital HUB戦略の最初に、CDをMP3形式でリッピングして
別のCDにも焼ける無料ソフトとして iTunesを発表した。
[iTunesの発表を伝えるImpress Watch]
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010110/mac03.htm
広く無料配布した後に、まず「Macと機器との連携」のHUBとして
機能することに焦点を当て、iPodが生まれた。その後、
iTunes/iPodをwindowsでも利用出来るようにして規模を拡大し、
その後iTunes Music Storeが登場、そして遂にiPhone/iPadが
生まれた。
筋斗雲は、「クラウド x 機器」の領域においての iTunesとなる
事を目指している。iTunesは、PCと機器、機器とサーバーという
間の連携だが、筋斗雲はもっと広範囲なM2Mが可能となっている。
Appleは、強力なブランド力を使ってこの動きを展開した。
我々も中国には、Aigoという強力なブランド名があるだけでなく、
現在は、ソーシャルネットワークという強い力がある。
筋斗雲の技術的特徴は、
1.仮想化IPv6のシステムにより安全・簡単に既存のインターネット
上に「自分専用のインターネット」を構築
2.ソフトウエアなのであらゆる機器をServer化できる。
機器内のあらゆるデーターがURL(パーマネントリンク)を
保有する。
3.ソーシャルネットワークと密連携しているので、SNS上の
「信頼された人的ネットワーク」を1で構築した
「自分専用のインターネット」上に「まるごと」取り込める。
例えば、mixiやfacebook、人人の「友達リスト」に
登録されているPCや機器だけがあたかも、家庭内のLAN内に
存在するように利用出来る。
4.APIが設定されていて「様々なサードベンダー」が自由に
クラウド環境を利用してアプリケーションを構築できる。
となっている。
筋斗雲では、これらの技術メリットを最大限にレバレッジさせて
一般ユーザーに受け入れられるために、相当な時間をかけて
準備をした。
まずは、中国企業家で掲載したこのコラムの方針に基づいて、組織を構築した。
会社のトップとして、清華大学大学院で通信を専攻し、その後
SONYでBRAVIAの国際ユーザーインターフェース担当リーダー
として活躍したwang(33才)氏を抜擢。
企画チームは、清華大学/大学院等の中国のトップ大学を中心とした
学生チームだけで構築。中国の大学生は企業で実際に様々な
インターン経験を積んでいるので実践的な能力を持っている。
完全な”SNS native“な世代にレバレッジ企画を託した。
技術面はしっかりとFBメンバーがサポート。
そこで生まれたのが、iTunesの役割を担う PC用ソフト筋斗雲と、
自分のPCと中国最大のSNS、人人網を連携させる、ソーシャル
アプリ「筋斗雲音楽会」の連携というアイディアだった。
中国の若者もとにかく音楽が好きだ。iPodは
「自分のライブラリをすべて持ち歩いて、それを
シャッフルして聞ける」
という新しい音楽スタイルを生み出した。
筋斗雲音楽会は、それを更に中国全土の友達のレベルまで
拡大させている。
ソーシャルネットワーク上にある全ての友達のライブラリを
「シャッフル」して楽しむことができる。
そして、気に入った曲があると like it して友達にも知らせる
事ができる。
筋斗雲技術を使って、クラウドの欠点である、
アップロードやコピーなどを防止し、これらのことを
「簡単に」行えるようになっている。
SNS事業者からすると、高価なディスクシステムや
著作権保護技術への投資なしに、Appleが発表した
Apple Ping のような音楽のソーシャルネットワークを構築する
ことができる為にメリットは大きい。人人網とも
共同マーケティングを含めていろんな提携を
検討している。
# 現在マーケティング実施前にもかかわらず、
# 一日2000人程のペースの入会ペースを保っている!
# 一日2000人の若者を惹きつけている興奮を感じている。
まずは、iTunesとしての筋斗雲を広げた後に、Aigoを
はじめとした機器との連携が出てくるという戦略になっている。
と、前段の筋斗雲の説明が長くなったが、今回の出張では、
リリース後の設備増強、運営体制、次のプロダクトの調整などなどに
多くの時間を割り当てた。
Aigoのfeng総裁が、「筋斗雲携帯」の発売を本人のマイクロブログで
示唆したことから中国国内でも相当な話題になってきている。
(総裁のマイクロブログのフォロワーは Sina:50万人 QQ:100万人!)
# Serverとして機能し、1700万画素のカメラを搭載する
# モンスターデバイスだということ。
# 僕からはノーコメントです。。。
2.BII/FBII 六飛プロジェクト/VDC
六飛事業は、三つの軸で動いている。
FBIIも重要スタッフの採用が完了! 日本研修に出井社外取締役と。
・中国の標準化活動
六飛技術を中国の標準化するための動きを具体化させています。
BIIがこの分野のスペシャリストであるために、慎重に
動きを進めています。
・キャリア採用に向けた実証実験
中国電信は、年内のIPv6シフト計画を少しスローダウンさせて
来年に集中して実施を行うようにしているようです。
その為、年内の実証実験を重視し、現在は2箇所での実証実験が行われていて、
一箇所が湖南省、もう一箇所が江蘇省(無錫がある場所)です。
湖南省はBIIと深い関係があり、無錫は既にFBが7年に渡るお付き合いが
ある場所で、その縁で自由位も設立出来ています。
(偶然ですが僕の奥さんも無錫出身なので、無錫の政府の方々からは
「無錫の息子」と言われています)
年内は実証実験でしっかりと結果を出すことが求められそうです。
領域は拡大してきているので、毎日忙しいですがしっかりと
BIIと連携して対応していきます。
・public 六飛の有料化準備!
BII/FBIIで、無料の六飛サービス(public六飛)を展開しています。
これは、我々の技術を実際に使ってもらうこと、そして、先行して
IPv6ユーザーを取得して実績を作ることを目標としています。
単なる無料サービスではなく、試験的に「あるサービス」を
有料化する準備を行ってきて、中国国内の課金システムを
構築して、限定的に実行したところ、実加入が続きました!
こちらは正式サービス時に発表いたします。
まだ本当に少額ですが、実際の中国のコンシューマーから直接
お金を稼げたという事実は大変嬉しく思いました。
(実際涙が出るくらいうれしかったです)
また、日本で急成長している仮想専用サーバー環境
VDC/VPSの中国投入に関しても慎重に準備をしています。
フルスピードとの連携もあり、色々と切り口がみえてきました。
3.無錫自由位でのプロジェクト
無錫自由位は、ソーシャルネットワークに特化した
「次」のプロダクトづくりを行っています。
# 今回の筋斗雲と連携するSNSアプリ「筋斗雲音楽会」の
# 開発は自由位で担当しました。
こちらは、まだ詳細のお話ができませんが、そろそろ発表できる
段階に近づいてきました。ServersMan 4 のコアを活かして、
画期的なプロダクトを計画しています。
iPhone4は、”iPhone史上最大のアップグレード”とJobs氏が
語っていましたが、ServersMan4 も同様です。
ServersMan 4もご期待ください!
以上、中国出張のご報告でした。