非連続な発想
C-Netを眺めていたら、”Sun to unveil data center in a box“という記事を
見つけて大変衝撃を受けた。
この”Data Center in a BOX” は、一般規格の”コンテナ”サイズで出来ていて、
適当な場所において、電源、ネットワーク、冷却用の水を”attach”するだけで
稼動し始めるという事。
空気清浄機と除湿のシステムも付属していて、10トンの機材を収納できる。
9Gのショック、6インチの落下にも耐え、重ねる事も出来るとの事。
極度なweb依存のアーキテクチャーによる、センター集中(web進化論でいう”あちら側”)が
進んだ結果、世界中のデータセンターで電源不足問題、熱問題などが指摘されてきている。
電気や水の供給は一朝一夕で増やす事は出来ない。
このシステムがあれば、バックアップ用設備や、冗長化設備の一部などを、
余剰能力を持つ供給地に近づけていく事が可能になるかもしれない。
コンテナの規格の衝撃は、ヤマト運輸元社長の故小倉昌男氏が”経営学”の中で
書かれていたが、ネットワーク屋的に言うと船やトラック、列車という
Transportationレイヤを抽象化してしまう。また、コンテナ自身が倉庫となる
更地にでもそのまま置けてしまう。
リソース問題だけでなく、リモートデータセンターとしての活躍も出来るだろう。
中央の人材を利用して、同一規格でセットアップをし、そのまま運搬し、
”attach”するだけで稼動を始める。プラグアンドプレイのデータセンター運営が
可能になるかもしれない。データセンターの稼動も格段に早くなるはずだ。
税関を超えられれば、海外展開なども大変容易になってくるだろう。
SUNは以前にもこのようなプランを検討していた事は記憶しているが、
膨大なサーバが必要となっている現在の”再チャレンジ”は理にかなって
いるように思える。
既存の概念ではなく、非連続な発想とは本当に大切だと思った。
日本のインターネットブランドのロゴが入った、コンテナがたくさん世界の
船着き場に積み上げられている日を夢見てしまった。