仮想化、エミュレーション技術を考える

仮想化、エミュレーション技術を考える

今日も福岡は快晴!

午前中は、下期の営業計画などをいろいろとまとめてみる。
資料をたくさん持ち帰ったので、しっかりと内容を理解して
まとめていく。しっかりと頭が整理できた。

午後は、これからの技術戦略を立てるにあたって絶対に避けることができない
「仮想化技術」についていろいろと考えてみた。

まずは、今身近にあるコンシューマー向けの仮想化技術を楽しんでみた!

1.1Chip MSXで、半ハードウエアエミュレーション

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以前から注目していた品物だったが、やっと手に入った。
MSXを、1チップのFPGA上に実装したもの。
僕は当時は、FM-7を使っていてMSXは友達の家で遊んでいたが、
さすがに懐かしい。

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こちらがアルテラ社のFPGAチップ! この1チップにMSXが詰め込まれている。

FPGAの技術には以前から注目していて、FreeBitでもいくつかの取り組みをしている。
身近に実感できるいい機会だったのでいろいろと遊んでみる。

自宅のテレビでMSXの画面が出てきたときは感動した! 小学校時代を思い出す。。。
技術の進歩を実感。

先日この1Chip MSXを出井さんに見せたところ、大変懐かしがられていた。
出井さんは実はソニーの元コンピューター事業部長。実際にSONY版MSXを開発されていた。
「HitBit」というコンピューターの誕生秘話などを聞かせていただく。

2.PSPでPSをソフトウエアエミュレーション

PS3のネットワークサービスを利用すると、PS(初代PS)のゲームのいくつかがPSPに
ダウンロードして利用できる。こちらは、完全なソフトウエアエミュレーション。
懐かしいゲームがそのまま動いていた。wiiのバーチャルコンソールでは、任天堂
以外のコンソールのエミュレーションも販売している。

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PSP上にPSのロゴが現れる!

こちらもスムーズに動作していた。ユーザーはエミュレーションを意識せずに素直に
楽しめるようになっていた。こちらも興味深い。

ITではサーバーの分野でも「仮想化」技術がどんどん取り入れられている。
この仮想化技術は、歴史の古い技術で元々はまだ開発が完了していないハードウエア向けの
ソフトウエア開発を行う目的で利用されていた。

# ビルゲイツ氏もアルテアの実機を持っていなかったために、ポール・アレン氏が
# 書いたDEC上で動くエミュレーター上で有名なBasicを書いたとのことである

コンピューターの処理能力が上がるにつれ、最近では逆に過去の資産を有効活用、
最適活用するために仮想化技術が使われるようになってきているようだ。

サーバー分野だと、過去の資産を仮想化して、現在の機材で動かしている。
オーバーヘッドを考慮しても、数台で動いていたシステムをブレード一枚で
動かすようなこともできるようになってきている。

今日試したのは、同じく過去の資産をコンシューマー分野での現在に有効活用
しようという試みであると思う。

仮想化技術が進歩していくと、ハードウエアがソフトウエアになり、またソフトウエアが
逆にハードウエアになる場合もある。
Emotion Linkはそのような世界に加えて、ネットワークアーキテクチャー自体を
仮想化することができる。いわば、仮想化にさらに厚みを増すことができるわけだ。
インターネットのアーキテクチャーの基礎単位である「Node」をハードウエア
インターフェースから切り離した論理化を行うことも可能となる。

仮想化技術がどんどん進んでいくと、ハードとは? ソフトとは? サーバーとは?
クライアントとは? という垣根はなくなり、論理化、抽象化した世界でアーキテクチャーを
構築する能力が必要になる。今の、「箱」中心のシステムインテグレーションというものは
次第に価値を失っていくかもしれない。

複雑な世界を抽象化して捉え、構成し、表現をしていく能力がさらに必要とされてくるだろう。
FreeBitでもこの分野の教育に取り組んでいるがさらに加速させていかないといけないと
実感した。