フルスピード社との資本業務提携並びにTOB開始のお知らせ
6/28開催のフリービット取締役会におきまして、株式会社フルスピードとの間で
資本業務提携契約を締結することを決定し、同社が発行する普通株式を対象
として公開買付けを実施することを決定いたしました。50.1%を上限とし、
一株29,000円。合計で20億9000万円となり、すべて自己資金でまかなう予定です。
東証兜倶楽部において6/28 17:15よりフルスピード芳賀社長と一緒に
記者説明会を行ないました。DTIの時を上回るメディアの方にお集まり頂きました。
フルスピード社の取締役会からは賛同表明を得ており、
議決権比率47.35%を保有する筆頭株主である芳賀麻奈穂氏とは同日づけで
「公開買付応募契約書」を締結しています。
詳細は開示書類と記者説明の内容を御覧ください。
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=810293
当エントリーにおきましては、当公開買付の目的、フルスピード社の現在地、
株主の皆様からいただいているご質問等に関して、ご説明をさせていただきます。
買収の目的
買収の目的としましては 当社中期経営計画である SiLK VISION 2012の
目標である「仮想化 & IPv6の領域で世界No.1になる」を実現する為の、
具体策として、
「広告ビジネスモデルの取得により、既存の継続課金ビジネスの構造改善と新規投資事業領域の伸長を狙い、さらに”フリーミアム時代”へ備えを行う」
ということにあります。
当然、”規模を追うための買収”ではありませんので、TOBが成立した場合は、
フルスピード社のコア事業である強力な法人向け営業部隊を生かした、
SEO、ネット広告事業、データセンター事業 以外の分野に関しては、
速やかに事業撤退を行っていき、フリービットグループとしては、
「特許技術によって構築されたSmart Infraを、継続課金モデル、
広告モデルによってB2B、B2C形式で提供していく事業グループ」
を目指していきます。
目的に沿った具体的な仮説としては、
1.ServersManのユビキタス機器、ソーシャルメディア、中国、
電子ドキュメント市場における広告モデルの構築 [中期取り組み領域]
ServersManの4つの想定ビジネスモデルである「広告」分野を
積極的に立ち上げていきます。フルスピード社にとっては、
ServersManは「媒体(メディア)」となります。
自社媒体の取り扱いは当然利益率が高くなります。
機器とWeb、そして Webでない Node to Node
コミュニケーションにおける広告商材を開発していきます。
あらゆる機器にIPアドレスが割り振られるIPv6の世界では、
広告のカタチも大きく変わることが予想されます。
例えば、先日発表した世界初のAndroid搭載のクラウドフォト
フレーム「Cast@Net」に関しては、デジタルサイネージ用途の
お問い合わせも早速頂いていますし、FBグループは多くの
マンション等にインターネット接続サービスを提供している
ので自社での取り組みも可能になるかもしれません。
また、ServersMan HD@iPadは、電子ドキュメントの閲覧に特化した
作りとなっています。自分で作った電子ドキュメント、
スキャンした本などは閲覧ページも多い為、この分野の
広告市場は相応な規模になると想定されます。
また、中国においてはSEO領域の発展もまだまだこれからです。
中国では、googleが撤退したために、サーチエンジンは、
現時点ではBaiduしかありません。
当社の社外取締役の出井氏はBiaduの社外取締役でもあります。
また逆に、Baiduは日本市場を切り開こうと努力しています。
Baiduだけでなく、日本市場を虎視眈々と狙う中国の、
ソーシャルネットワークの企業もあります。
このような逆に日本を狙う中国企業の橋渡しも目指していきたいと
思っています。
中国市場においての機器という面では、Aigo社はフォトフレーム
だけで年間100万台出荷していますし、既に5種類の電子ドキュメント
ビューワーを発表し年内で数十万台の販売を予定しています。
既存の広告領域でのレッドオーシャンではなく、分野を
特化したブルーオーシャン領域を中期で開発していきます。
2.DTI/ISP’sISP事業への広告モデルの導入、ユーザー獲得方法
の改善 [短期取り組み領域]
フリービットの主力のISP’s ISP領域においても広告を組み合わせる
ことで、接続料金やメールサービスなどが割安になるモデルの検討を
行って行き、将来的には、ブロードバンド回線を無料化する事を
想定したサービス開発を行っていきます。
フリービットはFree ISP’s ISPとして起業し成功をおさめてきました。
理念である「インターネットを広げ社会に貢献する」為に、
ブロードバンドでも実現することを目指していきたいと思います。
また、現在DTIは構造改革をほぼ終え、差別化プロダクトの
ラインナップも完了し、先行投資を伴う「ユーザー獲得/成長」に
シフトしています。この獲得に関してはフルスピード社の得意とする
SEOを初めとするWebのマーケティングのノウハウを駆使することで、
大きなコスト削減が見込めます。
3.SMB向けクラウド商材の販路[短期取り組み領域]
フルスピード社は、SEOの第一人者として急成長しましたが、
多くの新規参入により発生した価格下落により、業績が
悪化しています。しかし、その問題にいち早く気づき、
フルスピードクラブという定額制に近い形のSEO/インターネット
広告ビジネスに業態転換をしています。
この業態転換の方向性と、転換の進捗をフリービット
としては高く評価をしました。
この法人向け販路に、フリービットが力を入れている、
仮想データセンターサービスのVDC/VPS、クラウドメール、
将来的にはIPセントレッククスシステムや、ServersMan@CAS
などを載せていくことが出来るでしょう。
VDCは中型以上の法人や事業者、VPSは個人を中心に販売を
行っていますが、最もボリュームの大きいSMB領域への
販路を持つことができることは、成長領域である
同領域を立ち上げていくには大きなプラスとなることが
想定されます。
まだ、同様に、VDC/VPSのWebでの獲得コストを低減させる
事も期待されています。
4.ISP’s ISP事業(Bekkoame)とのシナジー
フルスピードは、インターネットプロバイダの老舗である
Bekkoameインターネットを子会社にもっており、この領域に
関しては、フリービットとも大変シナジーが強いです。
同領域に関しましては、FBはDTI等の実績もあり、
”買収の得意分野”でもありますので、両社で大きな
シナジーを追求することが出来ると考えられます。
フルスピード社の「現在地」等
株主の方から多くご質問を頂いたのは、先日赤字決算の発表を
行ったフルスピード社自体が「大丈夫か?」ということと、
フルスピードとの「シナジーは?」ということでした。
当案件に関しては28日開催のフリービット取締役会においても
徹底的に議論を行い、社外取締役の出井氏からは、
「シナジーは理解できるが、シナジーという甘い言葉を除いた、
いわばトップライン成長計画抜きのボトムラインのみによる
両グループの構造改革数値も説明して欲しい」
というご指摘を頂き、現時点の検討内容をご説明させて
頂き、その内容にご納得いただきました。
開示できる範囲で現在のフルスピード社の「現在地」をご説明
させていただきます。
現在地としては
「SEOにより急激な成長を果たしたが、競合参入による価格の下落により、
収益が悪化し、対応策として、
1) 事業領域の拡大
2) 継続課金制のSEOを中心としたフルスピードクラブへの業態転換
を行っている構造改革中」
と認識しています。
1)に関しては、本業と関係ない分野に進出をしてしまっているために、
即座に少々の血を流しても、早期の撤退を行い、
「特許技術によって構築されたSmart Infraを、継続課金モデル、
広告モデルによってB2B、B2C形式で提供していく事業グループ」
という姿に集中していくことが必要であると認識しています。
既にフルスピードの現経営陣でも大胆に着手し6/11発表の第3四半期決算、
また6/28開示において、現時点の懸念材料をほぼ一掃しています。
具体的には、投資有価証券やのれん等を可能な限り保守的に評価し
評価減を実施しています。膿を出し、一部の関連性の薄い子会社に
関しては切り離しを開始しています。この部分に関しては我々もしっかりとさらに
精査をして、多少の血を流しても早期撤退を重視していきたいと思っています。
株主のみなさんがご心配されている今期が赤字であることに関しましても、
第3四半期純損失1,104百万円のうちの9割以上が一時要因と
なっています。
# 膿だしのため10年7月期は10億円超の最終赤字ですが、フリービットへの
# 連結が始まるのは、業績が回復してくるフルスピードの新年度です。
構造改革の為に本社オフィスのコスト削減施策などに着手しており、
フリービットへの連結が始まる8月からは、オフィス面積だけでも
現状の約2分の1に圧縮されますので、月1,500万円強の費用削減
が見込まれています。
また、フルスピードが抱える長期/短期の有利子負債に関しましては、
非コア事業の売却によって適正水準まで圧縮できる可能性があると想定しています。
2)の「継続課金制のSEOを中心としたフルスピードクラブへの業態転換」
に関しては、内容をしっかりと精査した結果、正しい方向に進んでいると
判断しています。
フルスピードクラブの受注は足もとでは順調で、4月以降、月額約10万円の
サービスを、月間100社ペース規模での受注実績を継続しており、
既に700社を獲得していますので、今後、継続収入が積み上がってくる段階に
入り始めています。
フルスピード社のコア事業に関しましては、SEO分野の減少を
フルスピードクラブの増加で補うことが出来る構造に転換しはじめて
きており、SEOの「下げ止まり」の兆しもあります。
前線で頑張っていただいている営業メンバーの人たちが、ワクワク
して販売しただけるような、技術による差別化を行った独自性ある
プロダクトをフリービットでどんどん開発していくことで、
さらなる顧客満足、利益向上を狙っていけると考えています。
また、両社の企業文化の違いに関してのご質問も頂きました。
企業理念/文化の形成に関しては、フリービットでは大変重視しており、
昨年より大規模買収を常に想定したPMI(Post Merger Integration)の準備は、
専門家の戦略人事部 酒井穣GMの元で常に準備をしてきておりましたので、
それらを即座に実行して、両社の良い点を活かしつつ、
「インターネットを広げ社会に貢献する」という理念、そして、
「成長こそが個人の最大のエンターテイメント」であるという
教育指針に基づいたPMIを実行していきたいと思っています。
TOB期間中ですが、両社の提携事業に関してはTOBの成果にかかわらず
実行することで同意しておりますので、本日から「価値創造委員会」を
速やかに設立して参ります。
中期経営計画に関しましては、7/Eに発表を予定しておりましたが、
フルスピード社のTOB終了日が7/27となっており、TOB終了後でなくては
入手できない資料などもあるために、これらの内容を含めて精査を
行い、8/Eに発表をさせていただきたいと思っております。TOBのスケジュールが
あるとはいえ1ヶ月伸びてしまうことをお詫びいたします。
また、インサイダー情報の懸念がなくなりましたので、速やかに自社株買いを
実行いたします。MEXの事業売却、フルスピード社のTOBと大きな案件が
続いておりましたので、お約束しておりました自社株買いを実行することができて
おりませんでした。
フリービットでは、一切ぶれることなく、ステークホルダーの皆様に
お約束した、理念 / SiLK VSION 2012に忠実に沿って、粛々と歩を
進めてまいります。
TOBが成立して、芳賀社長を初めとする優秀なフルスピードの皆さんと
一緒に理念を追求できることを心待ちにしています。
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