2010/4 通期決算/中国 Aigoとの提携発表
6/11にフリービットでは、2010/4通期決算の発表、今期(2011/4)の業績予測、
並びに、中国最大規模のコンシューマーエレクトロニクス企業であるAigoとの
ServersManに関しての、包括提携の発表を行いました。
機関投資家、メディアの皆様あわせて約100名にお越しいただきました。
お忙しい中ありがとうございました!
詳細に関しましては、既に動画を公開しておりますので、
是非ともこちらを御覧下さい。
http://www.freebit.com/ir/movie/2010-06-11_FLV/index.html
1.2010/4通期決算、2011/4業績予測に関して
当エントリーでは、ポイントをご説明いたします。
2010/4は、SiLK VISION 2012における初年度にあたり、
・IPv6&仮想化において世界No1となる
・売上100億→300億/利益15億→45億と3年間で成長する
為の「準備の年」と位置づけ日々事業推進を行って参りました。
P/L
売上高 147億 900万円 (前年同期比 +36.6%/予想値 -5.1%)
純利益 10億2200万円(前年同期比 -38.9%/予想値 +2.2%)
B/S
純資産 78億3400万円 (前年同期比 +25億4300万円)
自己資本比率 47.4%(前年同期比 +16.4%)
となり、P/L B/Sの両輪で企業としてはバランスをとりながら、
大幅な成長を果たすことが出来ました。
「準備の年」にふさわしく、構造改革と大きな投資を行いながらも、
一定の成果を出すことができたと認識しております。
(1年間で10プロダクト以上を生み出したのは、フリービットの歴史
でもはじめてです)
ただし、期初予測とのズレが生じてしまったことに関しましては、
経営者としての責任を感じるとともに、業績予測の作成と公表に
関しましては、動きが早く急激に成長している状態においては、
この1年単位の予測を行う作業は困難を極めますが、徹底して
細部までロジックを積み上げて作成して行く重要性を真摯に
受けとめています。
(またその他、DTIの構造改革が期初計画と比較して、結局は
1年遅れてしまったこと、新営業体制の構築も半年の遅れが
生じてしまったことの2点に関しても同じく経営者としての
責任を感じています)
その反省に基づき、今期(2011/4)の業績予測においては、
1.ロジックが積み上がっていない「期待値」は一切入れない
→市場性から見て「あるべき成長性」は当然組み入れます
2.買収案件は確度が相応のものであっても入れない
3.競争力の落ちている事業に関しては、競争力を上げる
施策コストを割り当てる
という方針に基づき、予算作成を行いました。
昨年末に下方修正を発表させていただいた後から、この過ちを
二度と繰り返さない為に徹底した翌期予算の作成にとりかかり、
ほぼすべての週末を経営陣、各子会社、各部署との合宿に
割り当て、ロジックを理解し、積み上げてきました。
早く動いて、早く失敗して、早く修正する という社是に
従って、業績予測作成と公表の方法の失敗に関しては
修正を行いました。
2011/4 業績予測
売上 170億 (2010/4期比 +15.6%)
・中国事業の売上目標は10億円ですが、こちらは持分法ですので
利益の一部だけの計上となり売上には含まれていません。
・MEXの「リアルiDC事業」の事業譲渡を想定して昨年比 10億円が
減少しています。
昨年度と同じ状況での比較となりますと売上190億相当となりますので、
29%強の成長となっております。
営業利益 9億円 (2010/4期比 +120.8%)
上期に関しましては、
・Aigo JVでの複数ラインナップの集中開発
・FBIIにおけるキャリアからのIPv6受注に向けた投資
・MEXの売却に向けての整理等のコスト
・DTIのユーザー獲得施策への投資拡大
・その他事業立ち上げ
を予定していますので、赤字となる見込みです。
難しい決断でしたが、今後の成長を考慮して、このような
決断を行いました。これらの投資の結果下期では、10億円
程の経常利益が積み上がる予定です。
発表会で不透明さがまだある部分として、中国でのIPv6事業の
受注経験がないという事をあげさせていただきましたが、
当初より予算に持分法分のコストしか計上していないので、
通期数字に関してのズレは極めて軽微であると思われます。
最重要パートナーのBIIとしっかりと協力して、受注を目指して
行きます。
当期純利益 6億円(2010/4期比 -41.3%)
2010/4期までは、税務上の繰越欠損金が存在したため通常より低い水準の
法人税負担率でしたが、これまで利益を積み上げて来た結果、ほぼ通常の
税負担となることを見込んでいることが2010/4との大きな差異となってます。
また今期からセグメント別の開示(利益も含めた)を行うことを
予定しています。
・ISP’s ISP事業(ブロードバンド化を支える回線系/ISP向け商材)
・iDC’s iDC事業(クラウドを支える仮想化を中心としたサーバー環境、
クラウド上で動作するアプリケーション)
・Maker’s Maker事業(ユビキタス家電を生み出す、新時代の理想工場を目指す)
・広告/その他(SI)
広告事業は、一番最初に発表したSiLK VISION 2012にでの
「4つの成長領域」において、「アド・テクノロジー事業」として
2010/4に10億円を生み出すとお約束しておりましたが、
結局は2億円しか生み出すことが出来なかった領域です。
フリーミアムで語られるように、これからbitの世界は無料化に
備える必要があります。我々も長期成長の為には、フリービットの
技術に支えられた広告収入分野を早急に開拓する必要があると
考えています。分野が違うために参入が遅れていましたが、
今期からは積極的に取り組んで行きます。
まず第一弾として、無錫自由位をServersManとソーシャルアプリを
連携させるプロダクトを生み出す専業の会社として設定しました。
中国、米国、そして日本向けのプロダクトを生み出して行きます。
現在は、コアコンポーネントを「継続課金」方式で販売をしていますが、
もう一つの収入の軸として「広告収入」ということに取り組みます。
中期計画SiLK VISION 2012に関する方針に関しましては、7月末に
発表させて頂く予定です。
2.愛国者(aigo)とのServersManにおける包括提携に関して
Aigoとの提携は、日本においてFBが起業期にSONYとの提携を
行うことができたのと匹敵する大きな事だと認識しています。
http://www.freebit.com/press/pr2001/20011210.html
フリービットは、ソニーとの提携で、ソニー初のネットワーク家電である
チャンネルサーバー/Cocoonの開発を経験し、その経験から、Emotion Linkが
生まれました。
Aigoは、中国最大規模の信頼されたコンシューマーブランドです。
このような提携ができた事は、Aigoに感謝するとともに、
大変誇らしく思っています。
(「愛国者(aigo)」社に関するより詳しい情報はこちら(英文)を御覧下さい)
デジタル家電、PC、Androidタブレットから、携帯電話まで製造しており、
直営店で100店舗、代理店は3000店舗に達します。
非上場ですので、売上などは公開されていませんが、
F1のマクラーレン、サッカーのマンチェスターユナイテッド、
北京オリンピックのオフィシャルスポンサーを努めるだけでなく、
中国初の有人ロケット「神舟6号」の録音設備はAigoが提供しています。
MP3/MP4(動画再生機能付き)では、中国トップシェアでiPodを
凌駕しています。また、フォトフレーム、モバイルストレージに
おいてもトップシェアです。
ブランド価値 1500億円と言われ中国では「誰もが知るブランド」です。
中国事業においては、
1.キャリア/政府向けのIPv6移行市場
2.家電/M2M市場
3.法人向け市場
の三つの領域において、フラグシップ戦略(トップ企業と提携する)
をとってきました。
1年間の活動の結果、
1においては、最重要パートナー企業のBIIの多大なる貢献によって、
チャイナテレコムの技術審査を通過し、実サービスネットワークに
おいての実証実験が見えるところまで来ています。また、3においては
FBIIにおいて仮想化サービスの開始を着々と準備しています。
今回のAigoとの提携は、2となります。
Aigoは、子会社であるEXEMODEの藤岡社長の紹介によって道が
切り開かれました。藤岡社長の長年の堅実なビジネス姿勢が、
すでにAigoから高い評価を受けており、まずは、EXEMODEが2009年6月に
日本におけるAigo製品の販売総代理店の契約を獲得いたしました。
同時に、フリービット本体とAigoとのユビキタス製品の製品共同開発と
中国市場においての製品リリースの可能性が開かれ、その検討の中で、
ServersManに対して極めて高い評価を頂き、単なる製品共同開発ではなく、
お互い中国における同分野で「結婚」して、Feng総裁のポリシーである
1+1=2 ではなく、1+1を11にすることを目指す取り組みに発展しました。
約1年をかけた提携への歩みでした。
年初のラスベガスでも交渉!
http://atsuki.net/archives/2010/01120940.html
この提携過程において、Feng総裁一行は極秘に来日され、フリービット
関連施設、技術の視察の他、出井社外取締役にもお会い頂きました。
また、その一ヶ月後には、出井取締役と北京で合流し、Aigoに訪問
頂き、Aigoの事業内容なども出井取締役の目からもしっかりと
見て頂き、今回の「結婚」となりました。
AigoとのJVである、Smart Cloud社は、IPv6プラットフォームの
開発/ライセンス企業です(サービスの実運用はFBIIで行います)
Aigoは、Smart Cloudからライセンスを受けて、製品を早期に
市場に投入する予定です。(aigoはフォトフレームだけで年間100万台
以上を出荷しています)
また、Aigoは先日、Android搭載のタブレット AigoPadを
一気に5機種発表しており、プレゼンテーションには
IPv6対応の文字も見えますね。
http://anhuioss.blog13.fc2.com/blog-entry-307.html
(Android/OPhone雑記より引用させていただきました)
同時に、SmartCloud社は、Aigo以外のメーカーに対しても
積極的にセールスを行っていきます。
既に積極的な共同開発を行っており、中国独自のマーケティング慣習、
ユーザーインターフェースに関しての考え方 等々、多くのことを
学んでいます。
中国進出から8年かかって、また一つ大きな可能性をつかむことが
出来ました。時間はかかりますが、ぶれずに一歩一歩着実に、
歩を進めていきたいと思います。