北京出張とGoogleと

北京出張とGoogleと

先のブログでも書いたが2月と3月の頭は、国内での仕事に完全集中した。

昨年11月からグループを横断した事業構造改革を行っており、
組織だけでなく、プロダクトラインなども今後の成長にそった形で、
段階的に改革を行っている。2月と3月の頭はそれらの実施や
計画にも時間を多く割り当てた。

しっかり国内事業の方向性を整理した後、上海、そして3日間東京に戻って、
今回連休を利用して北京4泊となった!

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資料を探すために久しぶりに訪れた、北京の王府井(ワンフーチン)。

今回は、

1) 中国電信(China Telecom)研究所での六飛試験の進捗確認と対応
2) FBIIの来期計画と新事業に関して
3) 新しいセール活動と具体的なスケジュール

等を、主におこなった。

中国電信は、今年度(1-12月)中に国内数都市で、IPv6を100万ユーザーに
サービスとして提供する、と発表している。すでに昨年の6月から実サービスを
行っており、中国10大ITニュースにも選ばれた「六飛」は合理的に考えると、
大変いいポジションにいると僕自身は感じている。BIIとしっかりと連携しながら
エンジニアのみんなも相当モチベーション高く頑張ってくれていて嬉しい!

現在「候補技術」として認定されているが、次の「購買認定技術」に選定
されると、実際の購買のタームに進むことができる。中国でのビジネスを
一つ一つパートナーのBIIから学びながら、進めている。
早く動いて、早く失敗して、早く修正する。そうすると必ず、競合よりも
先に進めるはずだ。

また、ServersManのセールスもしっかりと行った。
先日日本にお招きした方々の反応もすこぶる良く一安心。
一刻も早く、ServersManをライセンスした製品を中国の市場に
登場させたい!! 一歩一歩着実に進めて行く。

中国は国土が広いために、独自販売網、そして多くのディストリビューション網を
保有しているところと組めないと商品が広がらない。その為には、本当にセールスセールス!

帰国当日になって、Googleが中国本土でのサービスを停止して、
すべて香港のサーバーにリダイレクトするとの発表があった。

前々から予測されていたので、ついに という感じだった。

「企業理念」と「国ごとのルール(法)」のせめぎ合いだったのだと思うが、
最終的にGoogleが企業理念を貫いたということなのだろうか。

国ごとに法は異なり、企業理念と法が相容れない場合は
その国に進出しない(撤退する)。

という明確な判断をしたのだったら、「世界の情報を整理する」「do not evil」という
企業理念とカルチャーの「世界の情報とは?」「evilとは?」という判断基準が
問われているのだと思う。

もし、世界最大の人口と古い歴史を有する国の情報を整理することをあきらめ、
この「evil」が西洋的な価値観だけで説明されるのであれば、僕自身は
かなり失望してしまうと思う。Googleの生み出すプロダクトと技術を見ていると、
もっともっと崇高なものを期待してしまうから。素晴らしいGoogleの説明に期待を
している。

このGoogle撤退に関して、株主の方々からもいくつかFBの中国進出に関しての
ご心配やご質問の声をいただいた。

・フリービットは、技術の前に法を順守する方針をとっており、グレーゾーンは
一切足を踏み入れない。時間がかかっても正式なプロセスをクリアして
事業を進めて行く。

・フリービットは「インターネットを広げ社会に貢献する」という企業理念の下に
事業を推進しているので、中国という最大の人口を擁する国で
インターネットの裾野を広げる活動を行うのは企業理念に合致している。

4月からはさらに僕自身の多くのリソースを中国事業に割り当てることになっている。
単なる事業立ち上げでなく、これは「もう一つの起業」であり、創業者としての判断と
リスクを負えるリソースが不可欠だ。

先日、クオンタムリープの勉強会で、出井さん、マネックスの松本大(おおき)社長と
一緒にパネルディスカッションをさせていただいたが、その際会場から
「中国進出で成功した企業と失敗した企業の差は?」との質問が出た。
即座に出井さんが

「(経営者の)コミットメントの度合いの違いです」

と答えられていたことが大変印象的だった。

熾烈な競争を勝ち残った沢山の優秀な人材が日本と比較して圧倒的に安い
コストでひしめく場所で勝っていくためには、このコミットメントしかないと思う。
また、日本企業は、継続的成長を続けていくためには、この市場を決して
無視することは出来ないという現状をしっかりと認識しなければいけないと
思う。

頑張るぞ!