IPv4アドレスの割り当て終了まで残り1年

IPv4アドレスの割り当て終了まで残り1年

日経新聞に、世界のIPアドレスの割り当てを決めているICANNのロッド・ベックストロムCEOが、

「(現行のIPアドレス体系である)IPv4に基づいたIPアドレスの新規割り当ては
2010年10月が本当の最後になる」

と発言した旨の記事が掲載され、今日は、僕の元にもひっきりなしで
この件で連絡が入っています。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091022AT1D220AW22102009.html

これは、繰り返しFBが述べてきた、IPv4の枯渇とその解決への対応の必要性を
裏付ける発言となります。

日本では、ブロードバンドユーザー数、携帯電話の新規登録数共に頭打ちとなって
いるために、まだ、延命手段によって生き残る方法もあるかもしれませんが、
中国をはじめとする新興国では、IPv6へのシフトは本当に「待ったなし」の
状況になっています。
(チャイナテレコムだけでADSL契約が年間1800万件増えています!)

フリービットは、ISP’s ISP事業を持っているためにこの「割り当ての困難さ」は
本当に実感しています。毎月3万人程の新規接続ユーザーを収容する為の
IPv4アドレスの確保は本当に難しくなってきています。事実、割り当て団体
からは、「あと2回の割り当てで最後」といわれています。
本当にそうなるのだと思います。

同じ話は、先日北京でお会いした、Google副社長であり「インターネットの父」と
言われるヴィント・サーフ氏もされています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091015/207194/

ユーザーの接続環境だけでなく、クラウドコンピューティングを支える膨大なサーバー群も
IPアドレスを数多く消費します。やり方次第でIPアドレスを消費せずに構築できるという意見
もありますが、結局仮想サーバー最大手のAmazon EC2においても、「ユーザーニーズ」に
よって固定IPアドレスの割り当てサービスが始まりましたし、新規の同様のサービスに
おいては固定IPアドレスの割り当てがセールスポイントになっています。

1台のPCサーバーに100以上の仮想サーバーを立ち上げて運用しているサービスもあり、
そうなるとたった1台のサーバーで100以上のIPアドレスを消費します。1ラックにサーバーが
20台集約されるとデータセンターのわずか1スクウェアで2000 IPを消費するわけです。

また、iPhoneを代表としたSmartPhoneも勢いを増しています。3年間で2億台を超える
SmartPhoneが世に出ます。SmartPhoneはIPアドレスを消費します。携帯電話は
常時接続なのです。本当にその数のプライベートアドレスを管理できるでしょうか?
(あるCATVサービスでは、プライベートアドレス自体が枯渇したという話もありました)

新興国を中心に、フリービットの蓄積してきた技術と経験へのニーズが本当に
高まっています。

20091023-baidu2.JPG

先日は、IPv6とServersManプラットフォームについて、Baiduの李CTOと意見交換を
させていただきました。

李CTOは中国最大の通信機器メーカーである華為(ファーウエイ)の成長において
重要な役割を果たされ、昨年Baidu入りされた伝説的人物です。氏といろいろと
意見交換させていただいたことは、中国市場を学ぶ上でも本当に勉強になりました。

DVDのプラットフォーム争いのときに、CD技術を多く再利用できるソニー陣営仕様と
新しい東芝陣営仕様とでは、容量が大きな東芝陣営仕様が実質的には勝利を収め、
逆にBlu-rayのプラットフォーム争いでは、DVDの技術などを多く再利用できる
東芝陣営仕様と、容量が大きなソニー松下陣営の仕様では、ソニー松下陣営が
勝利を収めました。IPv4とIPv6 どちらが優れているかは明らかです。

また、マイクロソフトはWindows7においてWindowsXPとの互換性を担保するのに、
Windows7に特殊なコードを入れるのではなく、仮想化技術によって解決しました。

フリービットが持っているEmotionLinkも同様です。
優れているIPv6にまずはIPv4のよさを生かしながら仮想化で実現する。

しっかりと先を見据えて、リソースの投資を行っていきたいと思っています。

積極的に行ってきている投資のマイルストーンとしてその内容がご紹介できる
ものがだんだんと出てきています!