Smart Infra実現に向け MEX社 TOB開始のお知らせ
フリービットでは、本日2/12開催の取締役会におきまして、
”Smart Infra構想”実現に向けて、メディアエクスチェンジ株式会社
(東証マザーズ上場:3746/以下MEX)株式等に関する公開買付けを
実施することを決議いたしました。
http://www.freebit.com/ir/pdf/2009-02-12.pdf
今回の公開買付けでは、普通発行株式の66.67%の取得を下限と
しております。また、本公開買付けが成立した場合、DTIの買収時と同じく
事業の構造改革と成長へのシフトを早期に実行するために、完全子会社化
を目指し、最終的には100%株式の取得を行う予定です。
MEX社は、平成9年にインターネットサービスプロバイダー(ISP)に
対する大容量の基幹ネットワークを用いたインターネット相互接続
環境を提供する国内初の商用IX(インターネットエクスチェンジ)
事業者として設立され、現在では主にインターネットデータセンター
サービスとインターネット接続サービスを提供しています。
[買収の目的]
1.Smart Infra構想の実現に向けた、マザー(基幹)データセンター事業の取得。
フリービットでは
「フリービットのデータセンターは、世界最大のルーター(Switch)となる」
ことを目指して事業を推進してきております。
今回、MEX社を取得することにより、同社のデータセンター/インターネットエクスチェンジ事業
とともにハイレベルな人材リソースも確保し、この構想実現を加速させることが可能となります。
メディアエクスチェンジ社が有する「既存インフラ」の上に、
フリービットが有する仮想化技術などによる「軽くて、賢いインフラ」
をかぶせる事で、新時代に即した「Smart Infra」を実現していきます。
Smart Infra構想に基づく Personal DataCenterプロダクトの
第一弾である「ServersMan@iPhone」は、現在も快進撃を
続けており、開始後僅か1週間の間に、約1万台のiPhoneの
“サーバー”化を実現しています。
1日1000台を超えるペースの「サーバ増設」は巨大IT企業に
おいても例がない規模となっています。
iPhoneなどのデバイスによって世界中で展開される「Personal
DataCenter」に正しいVPNによるネットワークトラフィックを
提供する、まさに「マザーデータセンター」としての役割を
期待しています。
2.「あたらしい経営リソース」の有効活用
フリービットでは、SiLK VISION 2010の1年半の推進によって、
いくつかの「あたらしい経営リソース」を獲得しました。
中でも、20GBに及ぶ「上りトラフィックの空き」は貴重な
戦略リソースです。上りトラフィックを中心に提供している、
MEX社のデータセンター事業とネットワークを共同利用することで、
この空き容量がそのまま収益貢献してきます。
[公開買付けに関して]
買付け価格は1株あたり24,219円で発行済み株式数が94,965株となって
いますので時価総額換算では約23億円となります。
今回の公開買付けにあたっては、公平さを期すため、第三者機関に価値算定を
依頼しており、それらを参考にして買付け価格を決定しております。
また、今回の買付けにおいては負ののれん(逆のれん)が発生します。
MEX社の今期3Qの純資産額約69億円(連結)と当社買付額との差額
(固定資産などを時価で評価して結合しますので、詳細については当社
連結決算の作成過程で確定しますので、単純な差額とはなりません) が、
一定の期間(一般的には3年~5年)で営業外収益に計上されます。つまり、
償却期間中は経常利益を押し上げる効果となります。
また、MEX社は現金同等物を約22億円保有しており、借入金やリース債務も
ほとんど無いという財務的にはかなり健全な状態です。
今後の両社の事業面、コスト面のシナジーを考慮すると、構造改革に相当な
リソースを投入することを含めても、取得価格としては妥当であると考えています。
また、既存のMEX社の株主の皆様にとっても、2月10日の終値に対して
約80%のプレミアムをつけてのご提案となっており、本提携なしには抜本的な
改善が難しい現状や、日常の流動性などを考慮に入れますと、妥当なご提案を
させていただいていると考えております。
すでに、筆頭株主の日本SGI社、LDH社(旧ライブドアホールディングス社)
に公開買付けに応募する旨の同意を得ており、またMEX取締役会からも賛同表明
を得ております。
[MEX事業の改善に関して]
現在、MEX社はデータセンターの稼動状況の低下により赤字経営を
余儀なくされています。
フリービットグループ全体として、
・遊休スペースの見直し、有効利用
・ネットワークの共同利用
・新規サービスの開始、共同セールス
によって早期に黒字化を目指します。当然平坦な道のりではありませんが、
DTIにおけるPhoenix One Projectによる構造改革の経験と実績もあり、
MEX社には極めて高い能力を持った人材がそろっていることから、
実行に向けては強い自信を持っております。
また、将来の成長に向けて、あらたなデータセンターの準備も
含めて積極的に手を打っていく予定です。
[買収資金に関して]
SiLK VISION 2010 ver2.0によって生まれた手元資金と銀行借入れで
確保しますので、本件に関してエクイティによる調達は行いません。
また、現在MEX社も営業赤字ではありますがキャッシュアウトが伴わない
減価償却費が多いため、営業キャッシュ・フローは黒字となっています。
その為、資金の手当ては問題ないと考えています。
[MEX社への思い]
MEX社は、僕自身のインターネットのスターであり、師匠である
吉村伸氏が心血を注いで創業された会社です。
フリービットでも、過去いくつかの提携を行い、一時はその外部トラフィックを
すべてMEX社に依頼していた時代もあり、大変事業的、文化的にも親和性が
高い会社です。
両社の業務提携の発表の様子。
ライブドア事件などでの不幸が重なり、赤字が継続し、保有している技術力や業界での
プレゼンスから比較するとかなり過小評価されていた状況だと考えています。
インターネットのインフラを支え続けてきた両社のビジョンと経験をフルに生かして、
今後のIPv6への移行問題、データセンターが抱える電源、熱、スペースなどの
問題にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
今期内に発表予定のSiLK VISION 2012で標榜する「あたらしいインフラ」である
Smart Infra の実現に向け、懸命に努力してまいります。
今後の怒涛の展開にご期待ください。
また、今回の提携に向けて、MEX社既存株主の皆様のご理解を賜りますよう
お願い申し上げます。